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栃ノ心・朝乃山戦“疑惑の判定”…「誤審」を生み続ける相撲協会の体質とマスコミ検閲

文=西尾克洋/相撲ライター
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栃ノ心・朝乃山戦“疑惑の判定”…「誤審」を生み続ける相撲協会の体質とマスコミ検閲の画像1大相撲夏場所13日目、栃ノ心・朝乃山戦(写真:日刊スポーツ/アフロ)

 大相撲夏場所13日目。事件は栃ノ心・朝乃山戦で起きた。

 行司の軍配が栃ノ心に上がった。審判が手を挙げる。物言いだ。確認のために物言いがつくことはある。審判団の協議はすぐ終わるだろう。そんなふうに思いながら眺めていたが、終わる気配がない。栃ノ心の足が出ているか否かが争点になっているのだろうが、繰り返し映し出されるリプレイでは、足が残っているように見えた。角度を変えてもその印象は変わらなかった。踵が出ていれば足跡が残る。だが今回の取組映像にも取組を終えた土俵上にも、テレビを観る限りではその跡は見られない。

 6分にも及んだ協議の結果。勝者は、朝乃山。物言いによる協議ではビデオを用いる。だがビデオ判定では断定できなかったため、物言いをつけた放駒親方の目を重視し、栃ノ心の足が土俵を割っていると判断したことを考慮したのだという。

 取組後、栃ノ心は涙を流した。あと1勝すれば大関に復帰できる状況で、残り3日。翌日は横綱鶴竜戦が組まれており、千秋楽は大関戦が組まれることが予想されている。つまり、星勘定を考えると栃ノ心にとって勝負の一番だったのだ。言い換えると、この一番を落とすことで大変厳しい状況に追い込まれたわけである。

 そして、対する朝乃山も優勝争いでトップを走るなかでの出来事だ。前頭8枚目で優勝争いに食い込んできたことから終盤戦で上位戦が組まれたわけだが、この1勝は直後に大きな意味を持つことになった。同じくトップを走る鶴竜がこの日敗れて、単独トップに立ったからだ。

 栃ノ心の大関復帰と優勝争いに大きな影響を及ぼしたこの判定は、物議を醸した。翌日相撲協会には抗議電話が鳴りやまなかったそうである。微妙な判定ではあったが、メディアの取り上げ方もファンの受け止め方も、この一番に関しては「誤審」であった。見ようによっては踵が着いているように見える写真もあるにはあったが、それ以上に踵が着いていないように見受けられる映像と写真が多く出回ったことから、誤審という認識を覆すには至らなかった。

 結局、栃ノ心は翌日の鶴竜戦で立合い変化して大関復帰を決め、朝乃山は14日目に初優勝を成し遂げた。

他のスポーツでは誤審が消えつつあるのに

 果たしてこの一番、問題はなんだったのだろうか。それは、判定に共感が得られなかったことだ。

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