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中山真由美「お片付けで人生を素敵に」

「遺品整理」で家族を困らせないための“前向きな生前整理”マニュアル

文=中山真由美/整理収納アドバイザー、インブルーム取締役
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 前回は、終活の最初のステップ「老前整理」についてお話ししました。後編はあとの2つ、遺産などのお金に関する整理と、残された家族が行う遺品の整理についてお話します。

実は一番気になる「財産」の問題

 前回お話しした老前整理は服や本など、持ち物の整理でした。あとに遺すものは持ち物だけではありませんよね。一番心配なのは財産、お金の問題ではないでしょうか。

 これは「生前整理」と呼ばれるものです。自分にどのくらいの資産があり、それを誰にどう分けるかを整理した記録です。以前は遺言書で残すことが多かったのですが、最近ではエンディングノートで残す人も増えています。エンディングノートには法的効力はありませんが、資産や延命治療、葬儀の仕方などについて自分の希望を記すことができます。

「自分が死んだら、どんなふうにしたらいいか」と考えて、自分の財産を整理することになるので、楽しいことではありません。ですがこれがあれば、自分が死んだあとに身内のトラブルを防ぐことができる、と考えれば、作成する意味は大いにあるでしょう。

「遺品整理」で家族を困らせないための“前向きな生前整理”マニュアルの画像1

自分が死んだら……ではなく、家族がその時に困る、と考えて整理する

 自分が死ぬことを考えるのは気分のいいものではありません。また、死んでしまったらあとのことは、わかりませんので、自分は何も困りません。困るのは、残されたご家族です。毎月掛け金を払い続けていた生命保険も、どこの保険会社のどんな保険に入っていたのか、証書はどこにあるのかがわからなければ、保険金を家族が受け取ることができなくなる可能性もあります。

 もらえるはずの保険金が受け取れないというのも大問題ですが、もっと問題なのは遺産問題です。法的に分与の割合は決まっていますが、きちんとした遺言書がなかったためにトラブルに発展した例は、とても多いです。遺産をめぐって家族が争う、という事態は最も避けたいトラブルです。生前整理をしておけば、そういうトラブルは防げます。また、もし争いが起きたとしても、あなたの遺言をもとに解決していくことができます。

 遺産や生命保険に関する書類・証書は、ファイルボックスなど1カ所にまとめ、きちんとラベルを貼っておきましょう。「ここに保険関係の書類を入れておくから」と、口頭で家族に説明している方も多いと思いますが、いざというときにはご家族も混乱し、聞いた記憶があいまいになってしまうこともあります。家族が見て、すぐそれとわかる表示をつけておくことが大事です。

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中山真由美/整理収納アドバイザー、RittaStanza CEO

中山真由美/整理収納アドバイザー、RittaStanza CEO

【保有資格】
整理収納アドバイザー1級
整理収納アドバイザー2級認定講師
企業内整理収納マネージャー認定講師
ファイリングデザイナー1級
心理カウンセラー
生前整理アドバイザー準1級

【著書】
『心も整う「捨てる」ルールと「しまう」ルール』(集英社)
『増やす男と、捨てない女の片づけ術』(小学館)
『いちばんシンプルでわかりやすいお片づけBOOK』(マイナビ)
『幸せを呼ぶ ゆる片づけ習慣』(講談社)
『イラストでよくわかる かんたん片づけ術』(彩図社)
『50歳からのリセット整理術』(集英社)
『捨てられずにいる不用品の「捨てどき」がわかる本』(扶桑社)
『散らからない仕組み』(主婦の友社)

HP:Ritta Stanza 運営事務局

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