ビジネスジャーナル > ライフニュース > 道路交通法のせいで交通事故が多発  > 3ページ目
NEW
中谷明彦「クルマの匠(Professional)」

グレーゾーンの多い道路交通法のせいで交通事故が多発している現実

文=中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家

自動運転車の技術に期待

 こうした問題の解決には、自動運転車の技術が応用される可能性がある。スマートシティのインフラとして信号機や交通監視システムにセンサーと通信機能を持たせ、車の自動運転システムと連携して必要な時には停止させ、必要ない時はスムーズに流すという制御が可能になる。

 そしてこの技術を自動車間にも持たせると、いわゆる「CAR to CAR(自動車間通信)」が可能となり2台、3台前方の車両が検知した状況を後方の車両に伝えられ余裕を持って対処できるわけだ。自動運転の定義はレベル0〜5の6段階で定められているが、自動車間通信とスマートシティ政策のセットを基本に置くことを大前提にしなければ、技術的難易度が高く実現不可能と考えられるのではないか。それには交通政策の道路行政と自動車メーカーやサプライヤーが連携していかなければならず、国が率先して国策化し指導していくべきなのだが。

 そしてスマートシティと自動車間通信を安全に確立するためにはハッキング対策が最重要となるのだが、その対応は現状極めて低レベルで危機感すらもっていないのではないだろうか。

(文=中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家)

中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家

中谷明彦/レーシングドライバー、自動車評論家

武蔵工業大学工学部機械工学科卒。15歳でカートを始め大学在学中にフォーミュラカーデビュー。卒業後はカートップ誌編集部員として働き1985年にプロ・レーサーへ転向。1988年全日本F3選手権でチャンピオンを獲得し、以降全ての全日本選手権、全ての国内サーキットで優勝を納める。三菱自動車ランサー・エボリュ−ションV〜Xの開発に寄与し、スーパー耐久レースではランエボを駆って50勝を記録。5回の年間覇者となる。バサーストやマカオGP、ル・マン24時間レースなど海外レース活動経験も豊富だ。1997年にドライビング理論アカデミー「中谷塾」を開設し、佐藤琢磨(第一期生)を輩出した。ドライビングやメカニズムの理論に精通。近年は中国メディアでも活動し、知名度が高い。2018年5月に慢性骨髄性白血病を発症したが、抗がん剤治療を受けつつ活動を継続。日本の代表的名ドライバーとして「Legend Racing Drivers Club
」のメンバーでもある。

Twitter:@nakaya_juku

グレーゾーンの多い道路交通法のせいで交通事故が多発している現実のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!