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寺澤有「警察を見れば社会がわかる」

【安倍政権】カジノ管理委に元警視総監委員・西村あさひアドバイザーの就任は利益相反!?

文=寺澤有/ジャーナリスト
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立憲民主党の阿部知子議員

 前回の記事で、元警視総監(元東京都警察本部長)で西村あさひ法律事務所(以下、西村あさひ)アドバイザーの樋口建史氏がカジノ管理委員会の委員に就任したことについて、利益相反の恐れがあることを指摘した。『デジタル大辞泉』(小学館)で「利益相反行為」の項目を見ると、以下のように記載されている。

【利益相反行為】
当事者の一方の利益が、他方の不利益になる行為のこと。一定の利益相反行為は法律で禁止されている。
[補説]例えば、一人の弁護士または同じ法律事務所に所属する個別の弁護士が、原告と被告双方の弁護を受任することは弁護士法で禁止されている。また、遺産分割協議の際に親権者が子を代理することは民法で禁止されている。

 西村あさひはエンターテインメントを業務分野としており、所属弁護士がIR(カジノを含む統合型リゾート)に関する論文を発表したり、講演を行ったりしている。

国会でも追及された利益相反

 前回の記事が公開されたのは2020年2月7日。同日の衆議院予算委員会で早速、樋口委員の利益相反問題が取り上げられた。阿部知子議員(立憲民主党)が武田良太内閣府特命担当大臣(カジノ管理委員会は内閣府の外局)に対し、こう質問した。

「カジノ管理委員会の非常勤の委員であります樋口建史さんが、西村あさひ法律事務所のアドバイザーとして今も登録をされております。これは許されることなのか。(西村あさひは)パチンコ事業のファンディングとかを推進もしてきて、カジノの関連のさまざまな業務もしていらっしゃる。個別、樋口さんがやっているかどうかはわかりません。私は、これは、いろいろな疑念を抱かせる元になると思います。カジノ管理委員会の独立性や透明性というのは非常に重要な、スタートしたばかりですし、いかがでしょう」

 武田大臣は次のように答えた。

「ご指摘のように、樋口委員が、現在、西村あさひ法律事務所の非常勤顧問に就任していることは承知をいたしております。また、一方で、西村あさひ法律事務所のすべての業務内容の詳細について、我々は承知はいたしておりません。カジノ管理委員会が疑念を生じさせることは慎んだほうがいいのではないかというご指摘はごもっともでありまして、我々は、カジノ事業という、これをしっかりと健全なものにするためにあるわけであって、また一方で、カジノ規制というものを厳格に執行するための独立した機関であります。そうした疑念を抱かれないように、しっかりとした職務に努めなければならないわけであります」

 阿部議員は、持ち時間が切れたため、こう締めくくった。

「今のはご答弁になっていません。兼任していいのか、ここでアドバイザーをやり続けていいのかとうかがいました。そういう委員会にしてはいけないんです、カジノ管理委員会は。ここはやはりけじめをつけるべきであるというふうなことを指摘して、質問を終わらせていただきます」

 利益相反問題は、樋口委員が西村あさひとカジノ管理委員会の両方から報酬を得ようとしているから発生している。つまり、欲張りすぎなのだが、本人に自覚はないようだ。

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