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岩田教授、ダイヤモンド・プリンセス船内の実態を激白…不可解な圧力、杜撰なウイルス対策

構成=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
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【完了・13日or14日掲載希望】岩田教授、ダイヤモンド・プリンセス船内の実態を激白…不可解な圧力、杜撰なウイルス対策の画像1
ダイヤモンド・プリンセス号(写真:楢原光晴/アフロ)

 3月12日、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス(COVID-19)に関して「パンデミック宣言」を出した。114カ国で感染者は11万8000人を超え、死者は4291人にも上った。日本でも感染者数が増え続けているが、これ以上の感染拡大を抑えるためにも、ダイヤモンド・プリンセス号での感染対策を検証すべきである。しかし、現時点で政府による検証はなされていない。

 ダイヤモンド・プリンセス号に実際に乗船し、内部の状況を動画共有サイト「YouTube」を使って日本国民のみならず、世界にも知らせた岩田健太郎医師(神戸大学医学研究科感染治療学分野教授・神戸大学医学部附属病院感染症内科診療科長)。ダイヤモンド・プリンセス号内でのCOVID-19対策について赤裸々に語れるのは、岩田医師をおいてほかにいないだろう。船内で起きたことの一部始終を含め、今後のCOVID-19についての疑問や今後の展望などを聞いた。

ダイヤモンド・プリンセス号へ乗船の経緯

 なぜダイヤモンド・プリンセス号に乗船しようと考えたのか。

「日々、ダイヤモンド・プリンセス号でCOVID-19の感染者が増え続けていることだけが報道されるなかで、感染対策ができているのかどうかという情報がまったくありませんでした。環境感染学会やFETP(実地疫学専門家)が入っているとは聞いていましたが、どういったことが行われているかわからないので、船内の感染症対策が適切なのかを見たいと思い、乗船することを考えていました」(岩田医師、以下同)

 アフリカのエボラ出血熱、中国のSARS(重症急性呼吸器症候群)で、最前線での医療現場を体験してきた岩田医師にとって、感染者の増加を知るたびに船内の感染対策を危惧せずにはいられなかった。そんなタイミングで2月17日の夕方、沖縄県立中部病院感染症内科・地域ケア科副部長の高山義浩医師から電話があったという。

「高山先生から『乗れます』と連絡がありました。しかし、なんらかの派遣の理由が必要なので、最初は『環境感染学会のメンバーとして行きませんか』という話が出ました。それを受け、環境感染学会の理事長にメールを送りましたが、当時すでに環境感染症学会は船から撤退していて今後、学会としては船に入らないことを決めたという話でした」

 環境感染学会は、なぜ撤退したのだろうか。

「メンバーの医師たちが、各病院での仕事が忙しいためという説明はありました。推測ですが、船内の感染リスクが高かったことも理由ではないかと思います」

 しかし、乗船するには大義名分が必要であり、次に高山医師は神戸大学病院のDMAT(災害派遣医療チーム)のメンバーとして行くのはどうかと提案したという。

「高山先生の提案通りDMAT メンバーとして乗船できることになり、2月18午前中に新幹線に乗って新横浜駅へ向かいました。ところが、新幹線の中で高山先生からの電話を受け、『DMATの“ある人物”から横槍が入り、乗船できなくなった。少し待ってください』と言われ、新横浜駅で待っていました」

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