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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第18回

杏・東出昌大夫妻の所属事務所“トップ会談”はあったか…芸能マネが語るあの迷会見の裏側

芸能吉之助(現役芸能プロマネージャー)
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映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』公式サイトトップページより。5月1日に公開予定であった同作は、新型コロナウイルスの影響により、公開延期となった。

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 1月末の別居報道から3カ月近くが経つというのに、いまだに世間の大きな関心ごととなっている東出昌大くんの不倫騒動。妻であるさんがいよいよ離婚を決意して、GW頃に発表されるのではないかという報道も出ています。

 そんな東出くんが3月17日に行った不倫謝罪会見ですが……。沈黙の時間も多いし、「お答えできない」の連発、そして極めつけはあの質問「杏さんと唐田さんのどちらが好きですか?」に対する「妻を傷つけるので答えられない」発言! 本来の頼りないキャラクターそのまんまの残念な会見というか……。何も得るものがないモヤッとした会見でしたね。女性インタビュアーたちに袋叩きにされただけっていう(笑)。

 でも、ああいう会見になったのも致し方ない側面もあったのではないかと思うんですよ。本人も会見の冒頭にあらかじめ断りを入れていましたが、やはり、杏さんとその所属事務所をおもんぱかって、何も話せない状態、言えないことだらけだったのでしょう。はっきり言えるのは、謝罪の言葉だけ。

 まだ会見できるタイミングでもなかったのにとりあえず矢面に出てきたのは、出演映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(配給/東宝、主演/長澤まさみ)の宣伝活動がその後に控えていたから。5月1日公開予定だった映画のために、4月には舞台挨拶やテレビ出演などなどが大がかりに予定されており、その前に一度なんらかの形で“区切り”をつけておく必要があったんでしょう。ですから、彼がナレーションを担当したドキュメンタリー映画『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』の公開直前イベントの場を借りて、ああいった会見を急ぎセッティングさせてもらった、というところが真相ではないでしょうか。

『三島由紀夫VS東大全共闘』スタッフは東出を怒っておらず?

 ただ、これは関係者に聞いたのですが、『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』の関係者たちは、東出くんの今回の会見の場としていわば“利用”されたことについては、あまり怒っていなかったそうです。会見や囲み取材なんかでは、「映画と関係ない質問はお控えください!」なんて神経質になる場合も多いですが、この作品についてはわりと硬派で地味めの作品ですし、会見によって注目度が上がってよかった……といったような思いもあったのかもしれません。一方の『コンフィデンスマン』のほうは結局その後、新型コロナウイルスの影響で映画の公開延期が決定し、宣伝活動もなくなってしまったんですけどね……。

 会見時の東出くんの態度も、神妙すぎる表情に、言葉が棒読みのセリフみたいで、「言葉が嘘くさい」「なんだか芝居がかってる……」とネットでも叩かれまくりでしたよね。でも、そもそも東出くんってああいう喋り方なんですよね。声が高くて、ちょっとポンコツぽいというか、頼りないというか。本音で話しているように聞こえづらい声とトーン。だからこそ、『コンフィデンスマンJP』シリーズで演じている頼りない男の子の“ボクちゃん”役や、『あなたのことはそれほど』(2017年、TBS系、主演/波瑠)の不気味な夫役のような役がハマるんだけど……。当然ながら、ああいう謝罪会見のような場には向いてないですね。

 僕は仕事柄、こういうニュースを見るとやっぱり「自分の担当タレントだったとしたら……」と考えてしまいます。東出くんの会見を見ながら「あー、手伝ってあげたいなー。言ってくれたら会見の想定問答集作ったのになー!」なんて考えていました(笑)。だいたい聞かれそうなことは決まっていますしね。もちろん、東出くんの事務所の方も準備していたとは思うんですけど。

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映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』のもととなった、2018年4月クールの月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』。東出昌大の持ち味である“頼りなさ”がうまく引き出され、また主演で東宝芸能所属の女優・長澤まさみが新境地を開いた作品ともなった。(画像は、ポニーキャニオンより発売の同ドラマDVD-BOXジャケットより)

東出が株を上げる“チャンス”でもあった

 あの質問(「杏さんと唐田さんのどちらが好きですか?」)は“ゲスな質問だった”と非難されていますけど、もちろんリポーターも“仕事”としてああいう質問をしているだけ。リポーターとしては、復縁したい気持ちがあるならもちろん「妻です」という答えが返ってきて、「ではなぜ不倫したんですか?」という次に繋げるための質問をしようと思っていたのでしょう。もちろん、どっちと答えても答えなくても東出くんが叩かれることには違いないんですが、リポーターたちのナナメ上を行く回答でしたね。僕が想定問答集を作るとしたら、無難ですけど「『僕には答える資格がありません』とうつむく」とかが正解だったのかなぁ……。

 でもあの質問は、東出くんにとって、株を上げられるチャンスでもあったんです。2月のジャニーズ退所会見で完璧なトークの切り返しを見せ、“神会見”とまでいわれた中居正広くんのようには無理でしょうけど、何かもう少し気の利いたコメントができれば、少しは風向きが変わったかもしれない。

 たとえば、「今回の騒動とかけまして、東京湾を出ていった船と解きます。(その心は)“コウカイ”の真っ最中です」と見事な謎かけを披露して、不倫謝罪会見に集まった報道陣を笑わせた三遊亭圓楽師匠。そして、違法薬物所持で逮捕された際の会見で「勝手にパンツの中に入っていた。もう一生パンツを履かないようにする」とうそぶいた勝新太郎氏など、最大のピンチと思われる会見を、見事なパフォーマンスの場に変え、“名台詞”を残す芸能人も多数います。これは、芸能人としての力量が問われるところですよね。

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杏と東出昌大の“出会いの場”ともなった作品、2013年下半期のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(画像は、NHKエンタープライズより発売の同作ブルーレイBOXより)

杏・東出夫妻の所属事務所“トップ会談”

 そして、今回の不倫騒動で僕が驚いたのは、東出くんの所属事務所「ユマニテ」の対応。「週刊文春」による最初の報道が出た直後に報道各社に宛てたFAXでは、「これらのことは東出の愚かさ、未熟さ、責任感の欠如が引き起こした事柄だと思います。どのように非難されても弁解の余地はありません」とズバッとコメント。所属事務所が、こんなにハッキリしたコメントを出すのはなかなか珍しいですよね。

 ユマニテには、安藤サクラさんをはじめ門脇麦さん、桜井ユキさん、岸井ゆきのさん、過去には満島ひかりさん(現在は独立)など、演技派の女優たちが多数在籍。松坂桃李くんとW主演した映画『新聞記者』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞したシム・ウンギョンさんもユマニテ所属です。

 このコメントを出したユマニテの畠中鈴子社長は、クリエイター的な天才肌の人。仕事選びもアーティスティックで、脚本を社長自らしっかり読み込んで所属タレントの仕事を決めているそうです。竹を割ったような性格で、それゆえ過去には俳優さんとぶつかることもあったそうですが……。演技派俳優を育て上げる手腕はさすがのもので、業界内でも彼女を尊敬している人は多いですね。

 きっと今回のことが判明した直後、ユマニテとトップコート(杏さんの所属事務所で、ナベプロ系列です)の間ですぐさま話し合いの場が持たれたと思うんです。このレベルの騒動だと、普通は社長同士のトップ会談でしょうね。トップコートの渡辺万由美社長も、『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK総合)で取り上げられるほどのやり手社長。業界でも有数の名物女性社長が2人揃って一体どんな話し合いをしたのか……気になる!

東出を「愚か」と断じた所属事務所

 でも、今回のことで東出くんは「大根役者」「杏ちゃんの七光で俳優としての地位を確保しただけ」などめちゃくちゃに叩かれていますが、この業界、“奥さんの七光”なんて、そんなことだけでは仕事は入ってきませんよ!

 彼の出演作品を見るとわかるけど、東出くんって、ちゃんといい仕事をしているんですよ。演技派か大根かといわれると、まあ大根寄りかな?とは思うんですけど(笑)。一つひとつの作品にしっかり取り組んでいて、彼本来の持ち味と役がうまくハマると、とてもいい味わいが出てる。仕事選びがすごくよくて、やっぱりそこは事務所のマネジメントが優秀なんだなと感心します。

 今後については、杏さんの意向次第なのですが、離婚するにせよしないにせよ、夫婦間の問題に決着がつくまでは東出くんは動けないでしょうね。しかし、所属事務所も、FAXコメントで東出くんを“愚か”と断じたそのうえで「厳しい道とは思いますが、東出が夫として、父としてもう一度家族を再生するために自らの生き方、姿勢を含めてその証を示してゆくしかないと思います。弊社としてはその道程を厳しく見守ってゆく所存です」と、これからもマネジメントを継続していく意思を表明しています。“よき夫、よき父”のイメージが崩壊した今、これまでのCMのような仕事は無理でしょうが、悪役転向や海外進出など、なんらかの形でうまく復活してくる可能性もけっこう高いんじゃないかな。これからの動向に注目したいと思います。

(構成=白井月子)

芸能吉之助/芸能マネージャー

芸能吉之助/芸能マネージャー

弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の現役芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

Twitter:@gei_kichinosuke

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