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吉澤恵理「薬剤師の視点で社会を斬る」

マスクを長時間着けているとシミが増える恐れ…withコロナ時代、マスクの正しい着用法

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
マスクを長時間着けているとシミが増える恐れ…withコロナ時代、マスクの正しい着用法の画像1
「Getty Images」より

「マスクをしていると紫外線対策になりそうな気がするが、実は逆の作用があって、マスクの中が長時間湿気に満たされることで、肌がフヤけてバリア機能が落ち、炎症が起きやすくなります。そこにマスクが『擦れる』という物理刺激が加わると、さらに炎症が起きて、マスク着用に伴うシミ、肝斑が増えます」

 そう指摘するのは、東京・渋谷にあるアマソラクリニックの院長、細井龍医師である。出口の見えない“withコロナ”の日々にあって、マスクの着用は必須である。だが、感染拡大予防に有効であると同時に、皮膚へのダメージというマイナス面も併せ持つ。肌へのダメージを最小限に抑えるためにも、マスクについての正しい知識と対策が必要だ。

マスクの素材と機能

 マスクの素材は、“アベノマスク”のような「布」と、使い捨てのサージカルマスクに使用される「不織布」に大別される。布マスクでは綿が多く使用されるが、夏用のクールマスクなどにはポリエステル、キュプラ、麻などさまざまな繊維素材が使用されている。一方の不織布は、「織らない布状のもの」であり、ポリエステルなどの繊維を集積して熱や接着剤などの化学的処理によって繊維を接着またはからみ合わせた薄いシート状の布である。

「最近では、“機能性マスク”と呼ばれ、さまざまな特性を持つ不織布マスクが市場に出回っており、その機能のために施されたものが肌のトラブルを起こすこともあります」

 不織布マスクの機能は抗菌作用、抗ウイルス作用、消臭作用などである。抗菌作用は「銀イオン」を使ったものが多い。抗ウイルス作用のフィルターには、銀イオン、銅イオン、光チタンアバタイト、ヨード、天然ドロマイトなどが使用されているが、金属アレルギーなどが起きるケースもあるため、素材や施されている機能まで、よく確認してマスクを選んでほしい。

マスクによる蒸れと擦れ

 コロナ禍で外出時はもちろん仕事中もマスクが必須の今、マスクをつける時間は非常に長い。長時間、装着したままのマスクの中は蒸れて、雑菌が繁殖しやすくなる。蒸れた状態では毛穴が開き、そこに雑菌がたまり、肌の表面で雑菌が増殖してし、その結果、ニキビや吹き出物ができやすくなる。

 さらに、注意すべき点があるという。

「口腔内の唾液に含まれる雑菌がマスクに付着し繁殖するので、口腔ケアにも気を配ってほしいと思います」

 また、表情の変化、話す際の口元の動きによってマスクも動き肌を擦るため、角質層にダメージを与えるという。

「肌の同じ部位に継続的に刺激が加わると、炎症を起こしシミや肝斑をつくりやすくなります」

マスクのダメージを最小限にする方法

「こまめにマスク内の換気をすることと、長時間同じものを使用せず、取り替えて清潔に保つことが理想です」

 また、敏感肌や肌が弱い人は刺激の少ないシルク素材のマスクやマスクシートを利用するのもいいだろう。

 十分な保湿によって、肌のバリア機能を担う角質層を健康に保つことも大事だ。一部の専門家は新型コロナウイルスについて、今後も消滅しない可能性があるとの認識を示している。マスクの着用は常識となる。肌トラブルを起こさず、感染予防に努めていただきたい。
(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

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