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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第27回

芸能プロマネージャーが怒りの告発…番組の問題とタレントへの誹謗中傷はまったくの別物だ

芸能吉之助(現役芸能プロマネージャー)
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geinou

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 マネージャー目線から見た芸能ニュースのウラ側を好き勝手にお伝えする本連載、今回はネットでの誹謗中傷について、タレントを守る側であるマネージャーという立場のぼくが考えていることをお話ししたいと思います。

 5月23日、プロレスラーの木村花さんが、22歳という若さでこの世を去るという痛ましい出来事がありました。花さんは、恋愛リアリティー番組『テラスハウス』(フジテレビ系/Netflix)に出演しており、番組内での花さんの振る舞いが大炎上、殺到したSNSでの誹謗中傷を苦に自ら命を絶ったと見られています。

 きっかけは、3月31日にNetflixで先行配信された第38話。花さんが大事にしていたプロレス用のコスチュームを、同居人の男性が誤って洗濯・乾燥してしまい、花さんはコスチュームを台無しにされたことに激怒。「一緒に住むんだったら、人のこともっと考えて暮らせよ! 限界だよもう!」などと怒鳴り、最後には「ふざけた帽子かぶってんじゃねえよ!」と男性がかぶっていた帽子をはたき落としました。この放送直後から、SNSでは「暴力行為なんて最低」などの感想が寄せられ、次第に「お前がいなくなれ」「二度とテレビに出ないで」「死ね」など、内容が次第に過激にエスカレートしていったようです。
 
 花さんの死後、番組共演者や番組スタッフらが、『テラスハウス』収録時のやらせ指示、理不尽な演出要求などがあったことを証言。さらに、フジテレビ側と交わした「同意書兼誓約書」には、「演出指示に従うこと」「途中リタイアしないこと」などの条項に違反し、放送・配信が中止になった場合には、出演者が放送回分の制作費を無条件に賠償することが記載されていたという報道もありました。7月15日には、花さんの母親である木村響子さんがBPO(放送倫理・番組向上機構)に対し、人権侵害があったとして審議を申し立てたそうで、詳しいことはこれから明らかになっていくでしょう。

芸能プロマネージャーが怒りの告発…番組の問題とタレントへの誹謗中傷はまったくの別物だの画像1
自死したと見られる木村花さんがインスタグラムに投稿した画像より

かつては芸能プロがある程度管理できていた「視聴者からのクレーム」

 芸能人は、テレビに出ているだけで一般の方からいろんな意見を言われます。ネットが発達する以前は、そういう意見はファンレターで届くのがほとんど。マネージャーは、届いたものをチェックし、タレントを不必要に傷つけるようなものは除いてから本人に渡していました。『東京ラブストーリー』(フジテレビ系、1991年)に出演していた有森也実さんも、主人公とヒロインの仲を邪魔する役を演じていたため、視聴者から脅迫状やカミソリ入りのファンレターなんかが届いたことがあるそうです。それも、事務所が対応し、有森さんは実際には目にしてないそうですが……。

 でも、今の時代、ネットでの意見は全部ダイレクトに本人に届く。もちろん、事務所がSNSを管理している場合はマネージャー、スタッフ、いろんな人がサポートしてケアを行うことができるんですが、本人の意志を尊重しタレント個人に管理を任せてしまっているようなケースでは、ぼくらスタッフが間に入って守る……といっても限界があります。

 花さんは死の直前、自分のSNSに「毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから。死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました(中略)愛されたかった人生でした」と書き込んでいました。ネットではカミソリそのものが届くことはありません。しかし、ネットでの誹謗中傷は、身体ではなく、心を傷つけるカミソリのようなもの。それが、来る日も来る日も100通も届いたとしたら、それはもう、心がズタズタに切れるに決まっています。

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