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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

Go To トラベル東京解禁でも庶民は“お呼びでない”理由…高級旅館で贅沢できる富裕層向け?

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト
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「gettyimages」より

 東京に住む者としてはこれまで横目で見るしかなかった「Go To トラベル」のニュースだが、いよいよ都民も対象になるようだ。Go To トラベル事務局のサイトには「東京都を目的とする旅行と東京都に在住している方の旅行について、10月1日以降に開始する旅行より改めて本事業の支援対象とすることが決定いたしました」と発表されており、9月18日より予約受付が開始されている。

 9月の4連休には間に合わなかったが、秋の行楽シーズンにギリギリ滑り込んだというところか。今後の感染状況によっては再び見直しもありとの但し書きはあるが、そうなれば東京以外の地域も等しく感染状況で判断されるべきだろうし、総選挙を見据えるこの状況で大都市圏の有権者を逆なでするようなことはしにくく、二度目の対象外しは難しいのではと推察している。

 さて、10月以降さらに盛り上がりを見せると思われるGo To トラベルだが、いびつな状況が生まれているらしい。このキャンペーンは国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の半額の補助(ただし半額のうち、7割は旅行代金の割引、3割は旅行先で使える地域共通クーポンとして付与される。※クーポンは10月より)が受けられ、1泊旅行の場合は上限が2万円とされている。

 その上限いっぱいの恩恵を受けようという利用者心理の結果、より高額な宿泊施設に人気が集中しているらしい。単純に2万円の倍なら1泊4万円の宿を取ろうと考える人が多いわけだ。その際の宿代の割引額は1万4000円となり、4万円の宿が2万6000円で泊まれる。片や筆者は家族旅行でもビジネスホテルを利用するのが常で、高くても1室1万円までが目安のため、もしそれでGo Toを使うと、割引額は3500円だけだ。1万円の宿が6500円で泊まれるのは十分魅力的だが、そうは感じない人が多いのだろう。

 4万円が2万6000円になるのと1万円が6500円になるのとを比べると、割引金額が大きい方がトクだと感じる心理のせいで、普段の旅行では1泊1万5000円の宿を選ぶような人でも、気前よく2万円以上を払ってしまう。それも仕方がないだろう。自粛疲れや海外旅行にも行けないストレスもあり、せっかく行くなら高額宿を、と人が流れるのもわからなくもない。

 しかし、その結果、お手頃価格の宿がキャンペーンの恩恵からこぼれ落ちてしまっているという。政府はそうした宿向けに独自の支援策を検討しているとの報道もあったが、意地悪な見方をすれば、最初からこうなることを織り込み済みだったのではないか。

高級宿に泊まれるお客こそ来てほしい?

 Go To トラベルとは、新型コロナで打撃を受けた観光業を支援すべく、観光の需要喚起策として1.1兆円もの予算を充てた巨大事業だ。それが高級旅館に偏ってしまうとすれば不公平感はあるが、とはいえ、高い宿に泊まってタクシーで現地を観光して回り、食事もバイキングではなく地元産品の会席料理を注文してくれるような、懐に余裕のある層が来てくれた方が観光地としてはありがたいはずだ。

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