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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

レジ袋、「会計時に堂々と買う」が正解だった…コスト的にも賢明、ムダにもならない

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表
レジ袋、「会計時に堂々と買う」が正解だった…コスト的にも賢明、ムダにもならないの画像1
「Getty Images」より

スーパーやコンビニのレジ袋が有料に

 レジ袋原則有料化の制度が始まって、数カ月が経ちました。もう「レジ袋有料なの?」と驚く人はいないと思いますが、お金を払ってレジ袋を買うことについて悩んでいる人もいることと思います。

 レジ袋の大きさや値段はお店によってまちまちです。しかし、いくつかのコンビニ、スーパーを調べてみましたところ、

・Mサイズ2~3円(カゴ半分くらいが入る)

・Lサイズ5円(カゴ1つ分が入る)

というパターンが多いようです。あなたは毎回、どう対応しているでしょうか。マイバッグを持参しているでしょうか。それとも、なんとなくうしろめたい気持ちになってレジ袋を買っているでしょうか。

 実はこれ、若い人のためのお金のトレーニングとして格好の題材であるように思います。必要なら堂々と「買えばいい」のです。そして、それはまったくムダにはならないからです。

あなたの生活の中での「収支」を考えてみよう

 レジ袋をもらうことが悪のように思われていますが、本当にそれはゴミでしょうか。あなたの生活のなかでレジ袋がどう使われているかを整理するところから始めてみましょう。

・分岐1:くしゃくしゃとしてゴミ袋に捨てている

・分岐2:残しておいてゴミ袋として「再利用」している

 この分岐点でゴミ袋直行だった場合は、確かに「ムダ」であり「ゴミ」です。職場で3時のおやつにチョコを1つだけ買ったときなどは、確かに「ゴミ」になっているかもしれません。

 しかし、レジ袋がゴミ袋になっているなら、それはムダではありません。コンビニ弁当を買ったとき、中身をそのまま放置するわけにはいきません。買ったときに入れてもらうレジ袋はそのままゴミ袋になるはずです。たいていの場合は、大きめのゴミ袋に入れ直すでしょうが、それでも液漏れを防ぐことを考えたら、その袋でいったんまとめるのはムダではないはずです。

 レジ袋をすべて断って、ゴミをまとめるゴミ袋を100円ショップ(百均)で買っている人が多いようです(実際、百均のゴミ袋売り場は売り切れのことが多くなっています)。しかし「5円のレジ袋」を断って「百均で20枚100円のゴミ袋」を買うとしたら、これはまったく同じことです。下手すると100円で15枚前後のこともあり、百均のほうが割高になっていたりします。

チョコ1つのレジ袋は断り、スーパーでは5円で気にせず買えばいい

 確かにチョコをひとつ買ったり、雑誌を1冊買うだけなら、レジ袋を断ったほうがいいでしょう。これらはもらわなくても困らないですし、たいていの場合、その場で捨てられることが多かったからです。もちろん、そのあと再利用するなら買って問題ありません。

 しかし、スーパーマーケットやコンビニで大量の買い物をしたときは、気にせず袋を買えばいいと思います。エコバッグを持っているなら使えばいいでしょうが、液もれリスクがあるものは、無理にエコバッグにいれないほうがいいでしょう。衛生的なリスクもありますし、単純に洗うのが面倒です。

 AmazonなどのECサイトでまとめ買いして「1袋2円」くらいで袋を買って、スーパーマーケットに持参する、というのはあなたがマメな人ならありでしょうが、手間ひまをかけても1カ月100円くらいしか節約にはならないと思うので、やはり気にせずレジ袋を買えばいいと思います。

 あなたがもし、もやもやとなんとなく贖罪感を持っていたのなら、堂々と「レジ袋お願いします」と言ってみてください。

実は国は、レジ袋有料化で省資源化になるとは言っていない

 あなたがそれでも、「環境のことを考えたらレジ袋をもらうべきではない」と思うのなら、最後にここだけの話をしておきましょう。

 実は、レジ袋を有料化することが省資源化につながるか、国も明言していないのです。経済産業省のレジ袋有料化を説明するホームページには「何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています」と書いてありますが、これにより年間何トンのプラスチックゴミが削減されるとは書かれていません。

 当たり前の話ですが「レジ袋もらわない(-1個)」のあとで「百均のゴミ袋購入(+1個)」となっていたら全体では資源の使用量は変わらないからです。

 また、海洋ゴミにレジ袋が漂っていて、海洋生物がクラゲと誤認して食べる危険も指摘されていますが、プラスチックゴミのうち、「漁網、ロープ」「ブイ、発泡スチロールブイ」「その他漁具」のような個人が排出するわけではないゴミが重量ベースで約60%、容積ベースで50%以上になっています。発泡スチロール片なども含めると、実際にはもっと多いと考えられます。

 個人が出すゴミで多いのはペットボトルの類いで、個数では40%以上にもなっています。「ポリ袋」は実は重量でも容積でも個数でみても1%未満なのです(ただし漂着前に分解されてマイクロプラスチックになっている可能性はあります)。

 省資源化や海の環境保全を真剣に考えるなら、むしろペットボトルの投棄をなくしリサイクルを意識するほうが重要ですし、ポリ袋をしっかり燃えるゴミとして収集に出せばいいのです。

 プラスチックによる海洋汚染の問題は「レジ袋をなくせば海がきれいになる」というほど単純ではありません。私たちのライフスタイルを「見直すきっかけ」としつつ、必要ならレジ袋を気にせず買ってもかまわないのです。

(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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