ファミマ、セブンとの日販「15.3万円」に拡大…サンクスとの統合が逆効果、赤字転落の画像1
ファミリーマートの店舗

 新型コロナウイルスの感染拡大が個人消費に与えた影響は甚大だ。近年の消費の重点は大都市部の繁華街や駅周辺にシフトしたが、新型コロナウイルス感染拡大で一変。テレワークの広がりに加え外出自粛で都心部の集客力が極端に低下した。

 意外にもろかったのがコンビニエンスストアだ。東日本大震災などの経験から、有事に強いはずなのだが、都心部のランチ需要の大幅な減少に伴い、2021年2月期上半期(20年3~8月)の既存店売上高が落ち込んだ。ファミリーマートの連結決算(国際会計基準)は最終損益が107億円の赤字(前年同期は381億円の黒字)に転落した。同期間での最終赤字は初めて。新型コロナウイルスの感染拡大による収益の落ち込みを考慮し、不採算店を閉鎖した結果、減損損失が422億円も出た。

 売上高にあたる営業収益は前年同期比11.2%減の2356億円、本業のもうけを示す事業利益は30.5%減の321億円だった。

 コンビニ大手3社の上半期のチェーン全店売上高はセブン-イレブン・ジャパンが前年同期比3.4%減、ローソンが7.2%減。これに対して、ファミマは10.5%減と2ケタのマイナスとなった。売上高や店舗数で業界2位のファミマのダメージが第3位のローソンより大きくなったのは、ファミマは人口が集中する三大都市圏で出店が他社と比べて多く、「都市部の店舗の利用客の減少がモロに響いた」(ファミマの複数店を経営するオーナー)ためだ。

ファミマの日販は48.8万円

 コンビニ業界はセブンが首位を独走し、ローソンは長らく業界2位だったが、18年11月にファミマがサークルKサンクスと経営統合し、店舗数と売上高で第2位に浮上した。合併の余力を駆ってファミマはセブンに迫る「2万店体制」の実現を目指した。ところが統合の後遺症に苦しむことになる。サークルKサンクスの店舗は不採算店が少なくなかったため、ファミマに看板を掛け替えただけでは活性化せず、全体の足を引っ張ることになった。統合後、店舗数は600店減った。ファミマにとってサークルKサンクスとの統合はメリットがなかった。

 店舗の稼ぐ力を示す指標に1日あたりの平均販売額(日販)がある。上半期の日販を見ておこう。セブンが64.1万円で前年同期比1.8万円減。ローソンは5.8万円減の48.5万円、ファミマも5.2万円減の48.8万円だ。コロナ前の20年2月期時点ではセブンが65.6万円、ローソンは53.5万円、ファミマが52.3万円。コロナ後にファミマの日販は50万円の大台を割り込み、セブンに15.3万円の大差をつけられた。稼ぐ力が劣るサークルKサンクスとの統合がファミマの失速の一因となったことは明らかだ。

伊藤忠商事が5800億円投じ完全子会社に

 18年8月、ファミマを子会社にした伊藤忠商事は危機感を強めた。ファミマを完全に支配下に置くことを決断する。かねてから、ファミマや食品卸大手の日本アクセスをはじめとするグループ各社が連係することによって商品在庫の圧縮や輸送コストの低減につなげられると考えていた。しかし、伊藤忠とファミマとの間には温度差があった。

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