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松岡久蔵「空気を読んでる場合じゃない」

共同通信記者、一般人を名指しで「自衛隊を天皇の軍隊にすると唱える人物」…当人に取材せず

文=松岡久蔵/ジャーナリスト
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YouTubeの防衛省公式チャンネルより

「岸信夫防衛相も記者の思い込みに基づく質問に付き合わされて気の毒でしたね」――。ある防衛省幹部は、2月2日の閣議後記者会見における共同通信の石井暁編集委員による質問の様子を見て、こうつぶやいた。

 石井氏は防衛省担当の長い記者だが、本サイトで報じたように、元陸上自衛隊の特殊部隊トップの荒谷卓氏が主催する「むすびの里」で昨年末、現役自衛官らを公募して格闘訓練を施したことについて、不法侵入など違法な取材活動を行い、1月23日付で『自衛官に私的戦闘訓練 特殊部隊の元トップが指導』という記事を配信した。確かな裏付けのファクトが何一つなく、荒谷氏本人への取材もないまま、「危険思想を持つ自衛隊OB」という決めつけにもとづいて構成された記事内容は、報道関係者、自衛隊関係者を中心に問題視されている。今回の会見内容について具体的に見ていこう。以下、防衛省のHPから議事録を引用する。

Q(石井氏):特殊部隊の元トップが、陸自隊員に私的な戦闘訓練をしていたといことについて、これは自衛隊法が保秘義務、職務遂行義務、品位保持義務等を定めていますが、それのどこに触れると考えられますか。

A(岸防衛相):(筆者注・石井氏の)報道については承知しておりますが、基本的に勤務外における私的な活動について、防衛省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:自衛隊を天皇の軍隊にする、あるいは三島由紀夫が持っていた私兵組織の盾の会のような組織が必要だと唱えている荒谷氏が、現職の自衛官、予備自衛官を募集して訓練していることに何ら問題がないと考えられますか。あるいは、この状態を野放しにされるおつもりですか。

A:個人の思想について、逐一コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。その上で、主にイベントについてホームページの情報等を含めて総合的に判断した結果、特段の問題があるとは考えておりません。元自衛官とはいえ、一民間人の方の活動について、防衛省が具体的にどのような確認をしているかということも含めて、防衛省としてはコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

Q:先週の記者会見で、湯浅悟郎陸上幕僚長は、自衛隊法に基づく品位保持義務に関して指導することがあり得るとおっしゃられました。それについて大臣のご所見を伺わせてください。

A:それは一般論として申し上げられたんじゃないですか。

Q:一般論の話をしている記者会見でなくて、文脈からいってこの話に間違いありません。

A:湯浅さんの会見のことについて、この場で私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほど申しましたように、その場でですね、ホームページ等の情報を含めて考えますと、総合的に考えて特段問題があるイベントではなかったと考えております。

Q:元特殊部隊のトップが、それも天皇の軍隊に自衛隊をするといって、盾の会のような私兵組織、民間防衛組織が必要だという主張している人のところに、毎年自衛官達を募集して、私的な戦闘訓練していることに、何ら問題がない、何の指導もする気がないと断言されるのですか。

A:自衛隊員が勤務時間外であっても、品位の保持の義務、また自衛隊法を始めとする各種法令を遵守していくこと、厳正な規律を維持することということは当然のことだろうと、こういうふうに思っています。

Q:大臣はこういう動きを推奨されるんですか。

A:推奨するとかしないとかそういう話ではなくて、特に我々として問題があるイベントとは考えていないということであります。

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