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牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

片瀬江ノ島・鵠沼など湘南、「住む街」人気上昇…海目前の家が3千万円、都心に通勤可

文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役
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江ノ島(「Getty Images」より)

 昨年はいつまでたっても収束を見せないコロナ禍で、「おうち時間」が増えた日本人が多かったのではないだろうか。今年になってもいまだに感染の勢いがやまないコロナと、いったいいつまで付き合っていくのだろうと思う半面、会社に通勤する必要が必ずしもなくなったサラリーマンにとって、STAY HOMEを実践するなかで自分たちが住んでいる家の住み心地にあらためて関心が向かったのではないだろうか。

 これまでは、とにかく平日の朝は「通勤」という行為が必要だった。現代では夫婦共働きが当たり前だ。夫婦ともにそれぞれの会社に通勤しやすい家に住むというのが、住むための第一条件であったといってよい。いわば家選びは「会社ファースト」だったのだ。

 ところがコロナ禍において、夫婦ともに家で仕事をすることが増えると、厄介な問題が起こった。都心部の狭苦しいマンションだと互いが働くスペースがとれない。夫婦でオンラインの会議が重なったりすると、どっちがどこの場所でやるかで喧嘩になる。これに遊んでくれとせがむ子供でも加わろうものなら収拾がつかない。マンションが契約しているWi-Fiでは容量が小さすぎて、住民の多くが利用するとまったく使い物にならずに苛立つケースも多々聞かれた。

 これまでは「住む」=「寝る」「寛ぐ」程度でよかった自宅でも、いざ「働く」となると足りない機能がたくさんあることにも気づかされたのではないだろうか。

 自分たちが住むマンションの周辺にも目を向ける機会が増えたはずだ。これまでは平日の昼間を自宅のある街なかですごしたことがないため、ランチをしようにもお店をよく知らない。仕事終了後にちょっと骨休みに一杯、と思っても居酒屋もない。たしかに通勤には便利だけれど、実は家で働きながら毎日を過ごすには、あまり快適ではない街であることを思い知った人も多かったに違いない。

 通勤に重きを置かなくてもよい、たとえば週1、2回、あるいは月2、3回程度通勤すればよくなった会社も多くなっている。そしてこうした勤務体系を、コロナ禍の今後の動向とは関係なく継続させていく会社も増えてきた。

 さて、ポスト・コロナ時代、必ずしも通勤を前提とした「会社ファースト」の家選びをせずとも、環境の良いエリアで「生活ファースト」の家選びをしたいと、多くの人が家選びの基準を変えつつある。それは東京都において昨年8月以来6カ月連続で人口が「転出超」になっていることにも表れている。

 とはいえ、まったく通勤から解放されすべてリモートワークで仕事ができるようになった人は稀だ。ならば首都圏のなかで居心地のよい街に住みたいと考えるのは自然だ。

湘南エリアの魅力

 そこで注目されたのが、昨年「SUUMO」が発表した、毎年恒例の「住みたい街ランキング関東版」のなかで従来の「住みたい街」に初めて加えられた「住民に愛されている街」ランキングだ。

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