公文書を意図的に隠蔽?「議事録に記載ある」→「議事録はない」説明急転…ツタヤ図書館の闇の画像1
「キーノ和歌山公式サイト」より

「議事録をみればわかると、あれだけ大見得切っていたじゃないですか。それがどうしてないんですか?」

 図書館担当者に対して筆者の声が思わず上ずってしまったのは、あてにしていた会議の議事録が、途中ゴッソリ抜け落ちていたことがわかったからだった。

 4月25日付当サイト記事『和歌山市、ツタヤ図書館に関する公文書を隠蔽か?8カ月間も議事録なし、追及され逆ギレ』でレポートした、和歌山市民図書館に関する会議録が一部消失していた件は、行政の根幹をなす公文書を、現場職員が意図的に廃棄・改ざんしたのではないかとの重大な疑惑を生んだ。

 和歌山市が、TSUTAYAを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者にして2020年6月に華々しくグランドオープンした「関西初のツタヤ図書館」での出来事である。

 今回は、官民連携の象徴ともいえる”ツタヤ図書館”を建設した和歌山市で起きた、重要文書の一部分が忽然と消えた事件の深層に迫る。

 筆者が、全面開館した新しい和歌山市民図書館の運営実態に疑念を抱いたのは、昨年6月5日に新しい市民図書館がグランドオープンした翌々週のことだった。

 SNS上に、セルフ方式で本の貸出作業ができる自動貸出機について書かれたコメントがあり、そのデータ読み取り方式が図書のバーコードからという不可解なものだった。

 和歌山市民図書館のように鳴り物入りで登場した新図書館では、ICタグによる自動貸出機の導入も珍しくない。ICタグ装備なら、借りたい本をまとめて専用台に置くと、図書データを一瞬にして読み取ることが可能だ。

 その点を和歌山市教委の担当部署に確認したところ、「ICタグは費用が高いので、導入を見合わせた」との回答。確かに、蔵書数が45万冊と多いだけに負担も重いだろう。しかし、和歌山市では、新図書館への移転にあたって3億円を超える巨額の費用をかけた新たなシステムを導入するとしていたのに、なぜICタグ装備はそのなかに含まれていないのかと不思議に感じた。

 そんな”もやもや”が決定的に不信感に変わったのが、翌7月上旬のこと。全面開館したばかり和歌山市民図書館を視察した関西在住の図書館の専門家に感想を聞いたところ、こんなコメントが寄せられたからだ。
「4階の児童書が、CCC独自の”ライフスタイル分類”になっていて、小学生の調べ学習には使いづらい」

「えっ、4階も?」と、筆者は一瞬耳を疑った。開館前の予定では「ライフスタイル分類は2階5万冊のみ」とされていて、そのほかのフロアはすべて一般的な図書館と同じNDC(日本十進分類法)のまま配架するとされていたからだ。いったい、いつの間に変更されたのか。

 2015年にツタヤ図書館として新装開館した神奈川県海老名市立中央図書館では、『カラマーゾフの兄弟』や『出エジプト記』が『旅行』に分類されていたことが「使いづらい」などと不満が噴出。それを問題視した和歌山市の市民団体が、17年12月のCCC選定直後から同社の独自分類の導入について強く反対していた。

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