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永田町の「謎」 現役議員秘書がぶっちゃける国会ウラ情報

「河村たかしを落としてはいけない」…名古屋市長選で自民党が恐れた国政復帰シナリオ

文=神澤志万/国会議員秘書
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名古屋市長の河村たかし氏(写真:毎日新聞社/アフロ)

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 4月25日の選挙まとめシリーズ最終回です。

※過去3回はこちら

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 名古屋市長選挙は終わってみれば河村たかし氏の勝利でしたが、かなりの苦戦でしたね。2009年に衆議院議員から名古屋市長選に挑戦してから連続4期、圧倒的な強さで勝利してきた河村氏ですが、やはり大村秀章愛知県知事へのリコール運動に関連するスキャンダルの影響が大きかったでしょうね。

「総理になる男」というキャッチフレーズで衆院議員をされていた頃が、なつかしいです。河村氏は体も声も大きいのでとても目立っていましたが、仲間をつくるのが苦手なようでした。何度も党首選に挑戦すると表明しては、既定の推薦人を集められずに断念されたというニュースを記憶しています。

 なので、今回のリコール運動問題は神澤も予見していました。あの高須クリニックの高須克弥院長が代表、事務局長に田中孝博氏が就任、と報道されてから、「高須マネーが目当て」と言われていたのです。

 元愛知県議の田中氏は、現職のときに県議としての報酬を差し押さえられたこともある人物です。当時の新聞(2001年9月4日付中日新聞)には、弁護士の方のコメントとして「報酬は本来、議員活動に必要な費用として支給されている。その報酬が差し押さえられて、議員活動が続けられるのだろうか。税金の使途に厳しい目が向けられる中、公人としての姿勢が問われる」などと書かれています。

 また、県議仲間から借金をして返済が滞っているという話もありました。そんな人物に、河村氏が代表を務める「減税日本」は県議選で公認を出していたこともあります。落選しましたけどね。

 お金について悪い噂しかない人物を事務局長に据えた時点で危ないのに、なぜか日本維新の会は次期衆院選の公認候補者予定として愛知5区の支部長に就任させ、記者会見まで行いました。この報道で、維新の支部に連絡が殺到したそうです。雲隠れしていた田中氏の居所を知った債権者たちが「借金を返せ」と言ってきたんですよ。それでも維新は支部長に据え、減税日本もリコール運動の事務局長を続けさせたのですから、危機管理はまったくなっていないですね。

 しかも、今は高須院長は河村氏と絶交し、お二人は田中氏にすべての責任を押し付けているという事態。意味がわからないですよね。

 自民党は「今度は勝てるかも」という期待があり、横井利明候補を自民党・公明党・立憲民主党・国民民主党・連合愛知推薦という与野党共闘で全面的に支援しました。自民党の党本部からも、地元の国会議員たちに相当な発破がかけられたそうです。河村氏もなりふり構わず必死に闘い、熾烈な激闘でしたが、なんとなく終盤は自民党の勢いが落ち、河村氏リードという雰囲気になっていきました。

 実は、河村氏に競り負けそうだとわかってきた時点で、自民党の国会議員たちは「河村を落としてはいけない」という方向に舵を切ったようなんです。なぜなら、もし河村氏が落選すれば、かなりの確率で次期衆院選に愛知1区または2区から出馬するからです。おそらく1区でしょうね。

『国会女子の忖度日記:議員秘書は、今日もイバラの道をゆく』 あの自民党女性議員の「このハゲーーッ!!」どころじゃない。ブラック企業も驚く労働環境にいる国会議員秘書の叫びを聞いて下さい。議員の傲慢、セクハラ、後援者の仰天陳情、議員のスキャンダル潰し、命懸けの選挙の裏、お局秘書のイジメ……知られざる仕事内容から苦境の数々まで20年以上永田町で働く現役女性政策秘書が書きました。人間関係の厳戒地帯で生き抜いてきた処世術は一般にも使えるはず。全編4コマまんが付き、辛さがよくわかります。 amazon_associate_logo.jpg