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三菱商事の屈辱、商社4位に転落、丸紅にも敗北…垣内社長の経営責任問題が焦点に

文=編集部
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三菱商事が所在する丸の内パークビルディング(「Wikipedia」より)

 総合商社7社の2021年3月期連結決算(国際会計基準)で王者・三菱商事が4位に転落した。5月7日の電話会見で垣内威彦社長は「資源価格の低迷やローソンの減損により、計画未達となったことを重く受け止め、反省すべきは反省する」と語った。4位転落で22年3月決算で任期を迎えることになる垣内社長の経営責任問題が急浮上した。

 原料炭の市況悪化や子会社ローソン関連で減損損失を計上し、純利益が前期比67.8%減の1725億円と激減。従来の会社予想(2000億円)をも下回った。ローソンののれん代や固定資産の減損836億円が大きく足を引っ張った。17年に5割超を出資していたローソンを子会社にした。のれん代は20年3月末時点で1500億円あった。今回、新型コロナウイルスの拡大でコンビニエンスストアの売上が減るなか、回復に時間がかかるとの判断から減損に踏み切った。

 三菱自動車の減損と構造改革費用が計200億円、垣内社長の肝煎りで出資したシンガポールの食糧・食品会社オラムの減損と会計処理で99億円。これに加え10~30億円規模の減損や評価損などが16件で、300億円超に達した。

 東京株式市場の取引時間中の決算発表を受け、5月7日、三菱商事の株価は一時6%安まで下落する場面があった。同社は22年3月期配当を134円に据え置くと表明。資源高による22年3月期の業績の急回復と増配への期待感が一気に剥落し、失望売りがかさんだ。22年3月期の純利益は2.2倍の3800億円を見込んでいるが、それでも3位にとどまる。長らく首位に君臨していた三菱商事は、収益構造の改革の遅れから経営の正念場を迎える。

「垣内さんはちょっとクセのある人物。三菱グループ内でもいまいち信用度は低い。小林健会長も自分で選んでおきながら、実は垣内さんとは馬が合わない。言いなりになると思って社長にしたが、今になって、その失敗に気づいたようだ」(三菱グループの長老)

 こうした辛辣な垣内評が聞かれるようになった。“ポスト垣内”は小林会長の意向が前面に出てくるかもしれない。そうなると、後継者選びに波乱が起きる。有力候補と取り沙汰されているのは常務執行役員電力ソリューショングループCEOの中西勝也氏である。三菱商事は傘下にスーパーやコンビニエンスストアがあり、食品の卸部門も強力だ。小売・サービス事業と家庭向け電力を融合させた新しいビジネスの創出が窮地に陥っている三菱商事に“活”を入れるとすれば、中西氏が“ポスト垣内”の最短距離にあるとの世間の評価通りになるのだが、小林会長が強権を発動することになると、どうなるのだろうか。22年3月期決算の9月中間決算の数字とそれに付随した人事が、一つのヒントになるかもしれない。

BusinessJournal編集部

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