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スルガ銀行、危機再燃か…アパート向け不正融資問題が浮上、「被害者弁護団」結成

文=編集部
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スルガ銀行本店(「Wikipedia」より)

 家電量販店大手のノジマは6月17日、横浜市西区のランドマークプラザで定時株主総会を開いた。野島廣司社長は資本・業務提携の解消を協議しているスルガ銀行(本店静岡県沼津市)の保有株式の扱いについて「総合的な観点により現在、検討を行っている」と述べるにとどめた。

 ノジマはスルガ銀に議決権ベースで18.52%出資している。経営方針をめぐって対立が深まり、野島社長は6月1日にスルガ銀副会長を辞任。スルガ銀はノジマの関連会社でなくなった。野島氏は辞任の理由について「リテール(個人向け)を強化し、地域の皆さまに喜んでいただき、従業員を幸せにする思いだったが、先方(=スルガ銀の経営陣)はそうでなかった」と説明した。

 複数の取締役の交代を求めたノジマ側の人事案をスルガ銀が拒絶したため、野島氏は“退任カード”を切ったわけだ。執行部が提案した人事案が、取締役会で多数決で決められた。全会一致がほとんどといわれる銀行の取締役会で意見が割れるのが、まず異例である。生え抜きで前社長の有國三知男会長は退任したが、嵯峨行介社長らは引き続き経営陣にとどまる。

 スルガ銀は女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」に端を発した投資用不動産への不正融資で経営が悪化。2019年5月、ノジマと業務提携し、ノジマは同年10月、スルガ銀の創業家が保有していた全株式を買い取り筆頭株主になった。野島氏は昨年6月から代表権のない社外取締役となり、副会長に就任していた。

 ノジマとスルガ銀は、両社の顧客基盤を活用したオンラインサービスや、金融とITを融合させるフィンテック事業の共同展開を進める方針だった。しかし、両社には明らかに温度差があった。スルガ銀の経営陣はノジマという後ろ盾を得て信用を補完し、シェアハウスなど投資用不動産融資の損失処理を急ぐのが先決だ、と考えた。

 スルガ銀は21年3月、民事調停を申し立てていたシェアハウス285人の貸し出し債権約442億円を第三者に譲渡した。20年3月に続く2回目の債権譲渡で債務者は借金をシェアハウスの土地や建物ですべて代物弁済したという。

一棟物件向けの不正融資問題

「スルガ銀の危機はまだ終わっていない。シェアハウス向け融資では和解したものの、アパートローンは解決していない」(首都圏の有力地銀の融資担当役員)。中古アパートなど一棟物件向けの不正融資をめぐって、21年5月、「被害者弁護団」が結成され、6月中旬、東京・日本橋のスルガ銀東京支店を訪れ、嵯峨社長との面談を求めたが、銀行側は面会を拒否した。

 デモ隊は「中古アパート、マンションの不正は、シェアハウスより前から行われていた」と通行人に訴えた。シェアハウスのオーナー向けにカードローンを設定していたが、「カードローンについても未処理。カタがついていない」(前出の地銀融資担当役員)。

 一方、ノジマはもっと積極的だった。協業による果実を早く得たいと急いでいた。家電量販店は飽和状態になっていて、ノジマは新たな収益源としてカード事業を想定していた。

「カード事業については以前から売り物を探していた。そこにスルガ銀が出てきたので、ならば銀行ごととなった」(ノジマの元役員)

 カード事業だけが欲しかったのに、中堅家電量販店のノジマが銀行をまるごと引き受けたところに、そもそも無理があった。ノジマとの提携を解消したら待ったなしである。スルガ銀は新たな提携先を早急に見つけなければならない。だが、「ノジマに代わるパートナーを見つけるのは容易ではない」(別の首都圏の地銀の営業担当役員)。

SBIHDの存在感

 ノジマが保有しているスルガ銀株をどこに売却するかが次の焦点となる。ノジマが資本参加した1年半前にも取り沙汰された新生銀行やSBIホールディングス(HD)の名前が挙がる。「第四のメガバンク構想」を拡大中のSBIHDの北尾吉孝社長は「我々ならスルガ銀行をうまくマネージメントできる」と意欲を燃やしていたことで知られる。

 だが、SBIは清水銀行(本店静岡市清水区)と20年2月、資本・業務提携した。SBIが地銀に出資するために設立した100%子会社のSBI地銀ホールディングスが清水銀に2.45%出資している(21年3月期末時点)。SBIの出資の基本方針は「一県一行」ということになっている。「スルガ銀に出資しにくいのではないのか」(中部地区の地銀の役員)との認識が強い。

 この点に関して「スルガ銀の本籍は沼津だが、営業の本拠地は神奈川。地元密着の銀行ではないので、北尾氏も例外扱いするのではないか」(自民党の金融族議員)。ノジマが持つスルガ銀行株がどこに落ち着くかで、中部地区の地銀再編の号砲が鳴る。

(文=編集部)

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