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稲盛和夫氏がJAL再建時に放った強烈な一言…外様社長が陥りがちな“失敗改革”とは

松下一功/ブランディング専門家、構成=安倍川モチ子/フリーライター
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稲盛和夫氏(「gettyimages」より)

 みなさん、こんにちは。元グラフィックデザイナーのブランディング専門家・松下一功です。

 ここ数年、「サントリーホールディングス」の新浪剛史代表取締役社長に代表されるように、各業界で“外様社長”、いわゆる再生請負人の活躍が注目されています。ビジネス界において、彼らの変革を無視することはできません。

 しかし、外様社長の改革は必ずしも成功するとは限りません。そこで今回は、外様社長がやってしまいがちな失敗例や成功するポイント、また目標とすべき理念について、ご紹介しましょう。

外様社長が陥りがちな“失敗改革”とは

 外様社長が招かれる理由のほとんどは「経営の立て直し」です。そのときの経営状態にもよりますが、破産寸前の場合やそれに近い状況では、スピード回復を求められることがあります。

 いわゆる、急激なV字回復や短期決戦や復活劇といったものです。世間の人々をあっと驚かせる商品やサービスを提供して、大きな注目を集めて業績を立て直す。それは、外様社長の手腕が問われる絶好の機会でもあります。

 しかし、瞬発力を求められる改革は諸刃の剣といっても過言ではありません。短期間で成果を出そうと獅子奮迅の勢いで取り組んでも、それによる業績回復もまた、短期間で終わってしまう可能性があります。なぜなら、その改革は自分(外様社長)を招いた人や株主に向けて行っているからです。それは、外様社長が陥りがちな失敗改革ともいえます。

 本来、会社を育てるときは10年、20年先を見据えた計画を立てるものです。目標は会社によってさまざまだと思いますが、基本的には業績、規模感、内部の成熟度などが足並みを揃えて成長していかなければ、本当の成長とはいえません。

 それなのに、「計画通りに進まなかったから、まずは業績を優先的に立て直したい」と改革に乗り出しても、ほかの要素が成長していなければ、どこかにシワ寄せが行ってしまいます。

 本当に会社を立て直したいのであれば、長期的な改革を行うことです。そのためには、まず株主に説明して理解を得るところから始める必要があるでしょう。次に、将来的に大きな業績が打ち出せるような会社にするために、社内システムの見直し、社員教育の内容変更などで、会社の内側をよくする改革に着手します。

 社員一人ひとりが信念を持ち、それを実現するために働いているのだという意識に変われば、仕事のモチベーションがアップして、会社の利益につながっていきます。理念にマッチしたお客さんとつながると、お互いにメリットを与え合おうとする信頼関係が築けますし、やがてリピーターとなり、口コミや紹介から新しいお客さんを得ることも期待できます。

 反対に、利益を先行した改革の場合、とりあえず売り上げにつながるお客さんを探そうとしてしまいます。そうすると、ミスコミュニケーションが発生したり、クレームやトラブルに発展してしまいます。そして、悪い口コミが広まってリピート率が下がり、永遠に新規顧客を集客し続けないといけなくなる可能性があります。さらに、利益先行の場合は経営資産を食い尽くすことも。そうなってしまったら本末転倒です。

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