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海外売上高比率が9割…村田製作所が過去最高益、「世界シェア上位」経営の秘密

文=編集部
村田製作所
村田製作所本社(「Wikipedia」より)

 村田製作所は2023~25年3月期までの「中期経営方針2024」と2030年に向けた長期ビジョンを発表した。世界的に環境への意識が高まる中、脱炭素に向けた対応などを強める「戦略投資」という項目を新たに設定。3年間で2300億円を投じる。株主還元でも2700億円を計画する。

 新中計は売上高2兆円(22年3月期の予想は1兆7300億円)、営業利益率20%以上、ROIC(投下資本利益率)20%以上に設定。投資が拡大するが収益力を落とさないよう配慮する。営業キャッシュフロー(CF)は前中計(今期まで3年間)より12%多い1兆2500億円を創出する。

 スマートフォンやパソコンなどに欠かせない積層セラミックコンデンサー(MLCC)が牽引役だ。MLCCは世界シェア4割を占める。環境投資では各生産拠点などに太陽光発電システムを導入する。50年の再生可能エネルギー導入比率100%という目標達成に向け、25年3月期までに25%、31年3月期に50%とするロードマップも示した。温暖化ガス排出量も25年3月期に20年3月期比20%減を目指す。

 今年11月に、高周波部品の生産子会社・金津村田製作所(福井県あわら市)で、工場の100%再エネ化を初めて達成した。発火しにくく長寿命の高性能リチウムイオン電池「フォルテリオン(FORTELION)」を活用した蓄電システムを導入。駐車場にはカーポート型の太陽光発電システムを設け、蓄電システムと組み合わせた。

 MLCC増産など通常の設備投資には6400億円を投資する。需要が拡大するMLCCは、タイで増産する。チェンマイ近郊の電子部品工場に近隣する土地を購入し、120億円を投じて延床面積約8万平方メートルの新棟を建設。23年3月に稼働する。MLCCは国内や中国、フィリピンに主力工場があり、タイでも主要部品の生産を始め、生産拠点を分散化する。

 当面の業績は好調だ。2021年4~9月期の連結決算は売上高が前年同期比21%増の9080億円、営業利益は69%増の2221億円、純利益は68%増の1677億円と過去最高となった。主力のMLCCや通信機器に使う表面波フィルターなど世界シェアが高い部品が好調。用途別売上高では巣ごもり需要を背景に、パソコンや関連機器向けが31%増の1827億円になったほか、ゲーム機器などのAV機器向けも10%増の396億円となった。通信向けは3%増の3927億円。高速通信規格「5G」対応スマホなどの需要が大きく業績に寄与した。車載向けは顧客メーカーが生産回復に備えるため電子部品の在庫を積み増した影響が大きく、51%増の1648億円だった。

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