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六代目山口組へ、またも神戸山口組の有力組織が移籍…山健組に続き、宅見組系列も

文=山口組問題特別取材班
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神戸山口組の井上邦雄組長。右は同組幹部の清崎達也・四代目大門会会長

  関西随分の歓楽街、大阪ミナミ。ヤクザ社会においても群雄割拠の地といわれたこのエリアに根を張り続けていた組織があった。五代目山口組時代には“組織の最高指令官”ともいわれる若頭を務め、山口組に多大なる影響力を及ぼした宅見勝若頭率いる初代宅見組である。

 その初代宅見組で若頭を務め、宅見組長亡き後に二代目を継承したのが、神戸山口組の入江禎副組長だった。それにより、入江副組長がそれまで率いていた勝心連合が宅見組の中核を担うことになる。その後、入江副組長より二代目を継いだ元幹部も、長きにわたり二代目宅見組の若頭を務めていたのだ。

 さらに、二代目宅見組に対する隠然たる影響力は三代目体制にも受け継がれたが、その三代目勝心連合ですら、ついに山口組分裂問題を受けての異変が起きたのだ。

 それは、三代目勝心連合が六代目山口組系組織へと移籍したというものである。

 「2月1日付けで、六代目山口組の中核組織、三代目弘道会で若頭を務める野内正博組長率いる野内組に移籍したといわれている。業界内の話では、その移籍にあたっては、平野権太会長が尽力したのではないかといわれている」(業界関係者)

 平野権太会長といえば、関西では誰もが知るほど有名な人物で、同会長が率いる権太会は六代目山口組系四次団体でありながらも、昨今の勢力拡大の勢いは、大阪随一とまで囁かれるほどといわれている。ちなみに、二代目宅見組からは、去年も最高幹部が三代目弘道会の直参として移籍している。さらに、宅見組は本部売却問題も抱えており、その組織力は、かげりを見せていると言わざるを得ない状況だ。

 「そもそも六代目山口組の分裂は、山健組と宅見組が手を結び、神戸山口組を結成したことが大きなインパクトを与えました。しかしながら、現在は神戸山口組の中核を担っていたはずの山健組が六代目山口組へと移籍し、宅見組においても、ついには入江組長が発足させた勝心連合までもが野内組へと移籍しました。大阪ミナミの中心部にある宅見組本部も売却話が進んでいるといわれており、神戸山口組系組員たちの間では結局、『何のための分裂だったのかわからない』という声が出ているようです」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 神戸山口組が発足された要因のひとつには「若い衆の将来のため」という大義があったといわれている。その若い衆が続々と六代目山口組へと復帰している現実を見れば、そうした疑問が湧き上がってもおかしくはないとこのジャーナリストは語る。

 山口組分裂問題は、六代目山口組が優勢のまま、最近は派手な発砲事件や山口組の御箱芸といわれるようなダンプ特攻などは起きていない。だが水面化では、六代目山口組が神戸山口組の勢力を着実に切り崩し続けているようだ。 

 今後どのような進展を見せるのか。次々に主要勢力を失っていく神戸山口組は今後どのように組織体制を維持していくのか。さまざまな声が業界内では囁かれているようだ。

(文=山口組問題特別取材班)

山口組問題特別取材班

山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

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