ビジネスジャーナル > ライフニュース > ワクチン3回目、交差接種で七転八倒
NEW

3回目接種「モデルナは副反応が軽い」と信じて打ってみたら…交差接種で七転八倒

文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト
ワクチン3回目、交差接種で七転八倒
ワクチン接種の様子(「Getty Images」より)

 オミクロン株の感染拡大が高止まりを続けるなか、政府は3回目の新型コロナワクチンの追加接種を進めるよう国民に呼びかけている。

 3回目のワクチン接種では、モデルナを使用する人が増えることになる。その理由は、2回目のワクチン接種までの供給量がファイザー:モデルナが5:5だったのに対し、3回目は3:7となっており、小児にはファイザー接種と決まっているため、大人は必然的にモデルナを接種することになる。

 そのため、1、2回目がファイザー、3回目がモデルナという“交差接種”を行う人が多くなる。筆者も交差接種を行った一人であるが、接種後の副反応の強さに驚愕した。これから3回目を接種する人の参考になるように、その経過について報告する。

あえてモデルナワクチンを選択

 筆者が3回目のワクチン接種の予約をした際は、ファイザーかモデルナを選べる状況であったが、あえてモデルナを選択肢した理由は、接種後の抗体価の違いにあった。2021年の時点でも、交差接種によってより高い抗体価の上昇を認めたという報告があり、抗体価が高いほうが感染を回避できると考え、モデルナを選択した。一般に交差接種では副反応が出やすいという情報もあったが、モデルナの使用量が1、2回目の半分ということもあり、副反応は軽いだろうと考えていた。

 副反応に関しては、堀内詔子ワクチン接種推進担当相がYouTube動画『堀内ワクチン接種推進担当大臣と尾身新型コロナ感染症対策分科会会長の特別対談』で語っている。動画の中で尾身会長は、自身も3回目にモデルナワクチンを接種したとして「ファイザーの2回目接種の時よりも軽かった」と話している。しかしながら、筆者は接種後に予想しなかった副反応に見舞われ、ワクチン接種後の副反応について、もっと国民に呼びかけるべきだと感じた。

 筆者がモデルナワクチンの接種を受けた経過は、以下のとおりである。正直、接種した日に大きな変化はなく、翌朝も「副反応はなかった」と思っていた。しかし、その考えは大きく打ち砕かれた。

2月19日
17時30分:モデルナワクチン接種
18時頃:接種後の経過観察を終了して帰宅
22時頃:接種部の腕の痛み、軽い倦怠感
24時:就寝

2月20日
7時:起床、体温36.5度、副反応はなかったと思い仕事へ
11時頃:悪寒と震えを感じ帰宅。38.4度の発熱、体の節々に痛み、耳鳴り、めまい→アセトアミノフェン500mg服用
16時頃:解熱せず、悪寒・震え・耳鳴り・めまいに加え動悸、熱は39度→再度アセトアミノフェン500mg服用
20時頃:38.3度、悪寒・震えは消失、耳鳴り・めまい・動悸は続いた。食欲低下で食事は取れず
22時頃:悪寒と震え、節々の痛みが急激に悪化。体温は40度→三度アセトアミノフェン500mg服用

2月21日
3時頃:38.3度
5時頃:37.2度

 20日20時頃、一度は解熱に向かうかに思われたが、22時頃に再び悪寒と震えに襲われ、40度の発熱があった。実は、この時の検温は家族が行ってくれたが筆者はよく覚えていない。1、2回目の接種時は副反応がほとんどなく、普段も健康な筆者が高熱にうなされる姿を初めて見た家族は、救急車を呼ぶべきか迷ったと話している。

 この時、家族に促されながらアセトアミノフェンを服用したことは、夢の中のような感じで覚えている。家族が氷枕をつくり夜中も様子を見てくれたおかげか、21日朝には37.2度まで解熱し、耳鳴りもほぼなくなった。途中、高熱のため朦朧とした瞬間もあり、家族の看病にあらためて感謝した。40度を超えた時間は長くはなく、家族が水枕や熱冷シートで頭を冷やしたことが功を奏したようだ。

48時間後まで続いた微熱

 21日朝に37.2度の微熱が続いていたことから、この日もアセトアミノフェンを服用した。昼までは悪寒もあり、また熱があるのではと不安もあったが、昼食後にアセトアミノフェン500mgを服用した後は悪寒がなくなり、急激に体調が回復していった。48時間を超える頃に36.8度まで下がり、ホッと胸を撫で下ろした。大げさと言われるかもしれないが、想像もしなかった重い副反応に途中、「このまま死ぬのでは」と思うほどだった。

 筆者には子供がいるが、3回目接種を控えており、もし子供がこれほどの副反応が出たら耐えられるのかという不安も生じ、子供の接種に関しては再検討中である。

 政府が3回目のワクチン接種を進めたい気持ちはよくわかる。堀内大臣はテレビ出演の際、「モデルナの使用量は1、2回目の半分であるため、発熱などの出現は少ないといわれています」と話しているが、大臣の責任としては“副反応は軽い”と強調するのではなく、副反応が出た際の対処法についてももっとアナウンスすべきであり、各地に副反応センターなどを設け、解熱剤などを入手しやすいようにすべきだと感じる。

 少なくとも、3回目のワクチン接種の際には解熱剤、水枕、補水液などを準備し、副反応が悪化した際には、かかりつけ医に連絡できるような体制を整えることが必要だろう。

(文=吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト)

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

吉澤恵理/薬剤師、医療ジャーナリスト

1969年12月25日福島県生まれ。1992年東北薬科大学卒業。福島県立医科大学薬理学講座助手、福島県公立岩瀬病院薬剤部、医療法人寿会で病院勤務後、現在は薬物乱用防止の啓蒙活動、心の問題などにも取り組み、コラム執筆のほか、講演、セミナーなども行っている。

吉澤恵理公式ブログ

Instagram:@medical_journalist_erie

3回目接種「モデルナは副反応が軽い」と信じて打ってみたら…交差接種で七転八倒のページです。ビジネスジャーナルは、ライフ、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!