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村井英一「お金の健康法」

金利の上昇→株価の下落という「定説」の罠…株価上昇or下落の分かれ目とは?

文=村井英一/家計の診断・相談室、ファイナンシャル・プランナー
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日本銀行(「Wikipedia」より

 このところの株式相場は、日経平均株価で前日比が800円ものマイナスとなったと思うと、翌日には500円のプラスになるなど、乱高下が続いています。そして、大きな上下を繰り返しながらも、徐々に下がってきているのが心配です。オミクロン株による感染拡大による影響というよりは、アメリカで早期に金利引き上げがなされるのではないか、との警戒から不安定な動きになっているようです。

 日本の株式相場での売買は、海外の機関投資家が占める割合が高く、アメリカの株式相場の動きに影響されます。アメリカの株式市場が不安定になっているため、それが日本の相場にも影響を与えています。最近のアメリカでは物価上昇が続いており、それを食い止めるために、中央銀行に相当するFRB(連邦準備理事会)が政策金利を引き上げるのではないかと警戒されています。すると、株式市場から資金が流出し、株価が下落する可能性が高いというのです。

・物価の上昇 → 政策金利の引上げ → 資金が株式市場から流出 → 株価の下落

という流れです。アメリカにしろ、日本にしろ、金利が上昇すると株価は下落するといわれており、それが“定説”になっています。しかし、この“定説”は必ずしも正しくはありません。金利と株価の関係を整理してみましょう。まずは金利と株価の関係を「式」にして表してみます。

・金利が上昇する = 資金が株式市場から債券や預貯金に移る = 株価の下落

・金利が低下する = 資金が債券や預貯金から株式市場に移る = 株価の上昇

 次は、景気と金利の関係です。

・景気の拡大 = 資金需給のひっ迫&中央銀行による利上げ = 金利が上昇する

・景気の低迷 = 資金需給の緩和&中央銀行による利下げ = 金利が低下する

となります。ここで、連立方程式のように、上下の式を合体させます。すると、

・景気の拡大 = 株価の下落

・景気の低迷 = 株価の上昇

 あれ? 少し変だと思いませんか? 株価は企業業績を反映するものです。景気の拡大=株価の上昇 にならないとおかしいはずです。

株式市場の状態次第

 株価の動向を金利との関係だけで考えると、景気が悪いほうが株価は上昇する、という結論になってしまいます。金利の影響を重視する市場関係者のなかには、はっきりとは言わないものの、そう取られかねない発言をする人もいます。あながち間違いとは言えないでしょう。

 はたして景気が拡大すると(=金利が上昇すると)、株価は上がるのか、それとも下がるのか?

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23:30更新
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