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日テレ・藤井貴彦アナが思いを伝えるときに大切にしているものとは?

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『伝わる仕組み』(新潮社刊)
『伝わる仕組み』(新潮社刊)

 誰かに何かを伝えるときに、自分の思っていたことが上手く伝わっていなかったという経験はないだろうか。

 おそらく多くの人が、そのような経験を持っているはずだ。

 思い通りに言葉が届かない。どんな言葉を使えばいいのか悩んでしまう。相手が本当に理解してくれているのか分からない。

 日本テレビのアナウンサーで『news every.』のメインキャスターを務める藤井貴彦さんが、言葉を伝えるために日々心がけていることをまとめた一冊が『伝わる仕組み』(新潮社刊)だ。本書では、どうしたら言葉が届けられるのか、そのヒントを51の項目に分けてつづっている。その中身を見ていこう。

相手に伝えるときに大切にしていることは「スピード」


 誰かに思いを伝えるとき、あなたは何を大切にしているだろうか。藤井さんが大切にしているのは「スピード」だ。

 スピードとトーンの間には相関性があり、ゆっくり話すとやさしいトーンに、速く話すときついトーンになる。だから、スピードをコントロールできれば、トーンも決まってくる。

 しかし、つい早口になっていたり、自分でゆっくりしゃべっているつもりでも「早い」と思われたりすることがある。藤井さんも新人アナウンサーの研修を例にあげて「ゆっくりしゃべるのは難しいことであり、それは相手の立場でものを考えることの難しさでもあるのです」(p.77より引用)と指摘する。

 自分で思う「ゆっくり」で話すのではなく、相手の立場に立ってスピードを調整できるかどうか。藤井さん自身、自分の読んだニュースを録画で見返して、スピード調整を行っているという。私たちも一度自分が話しているところを録音して聞き返し、どれだけ早口になっているかを確認してみてもいいのかもしれない。

「生ハムメロン」で言葉は面白くなる


 もう一つ、本書から「伝わる仕組み」をピックアップしよう。

 イタリアサッカーが好きな藤井さん。社会人2年目に初めてイタリアに行き、サッカーを現地で見ていた。ある試合のない日、お昼に入った食堂で「生ハムメロン」と出会う。しょっぱいものと甘いもの、乾いたものとジューシーなもの、対極にあるものがお皿に乗っている。それを口に運ぶと、「ボーノ(おいしい)」。おかわりをせずにはいられなかったという。

 このエピソードから紹介されるのが、言葉の組み合わせは「生ハムメロン」で、というものだ。言葉は対極のものを組み合わせると、不思議な魅力が生まれる。

 藤井さんが例にあげているのが「絶賛」という言葉だ。この言葉の後に続くのは、「発売中!」など勢いのある言葉が多いが、あえてあまり動きのない言葉を入れてみる。「絶賛休憩中です」というように。

 確かに、対極の言葉であるはずなのに、うまく馴染んでいるように感じて面白い。そしてニュアンスも伝わってくる。会話の中で直前のワードをうまく利用して、新しい言葉を作る。藤井さんのユーモアあふれる言葉のセンスを垣間見ることができるエピソードだ。

 ◇

 この他にも、藤井さんの仕事との向き合い方についても書かれており、批判との向き合い方や初めてメインを任された番組から得たことなど、仕事をしている人なら参考になる考え方が詰まっている。

 アナウンサーとして「伝えること」に真摯に向き合う藤井さんの姿勢を感じることができる本書。この「伝わる仕組み」は、私たちの普段のコミュニケーションをより良いものに変えてくれるだろう。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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