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韓国発のオンラインレッスン「CLASS101」が残念すぎる…1万円以上払ってガッカリ

文=石徹白未亜/ライター
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「CLASS101ホームページ」より
CLASS101ホームページ」より

 コロナの流行もあって、レッスンやセミナーの「オンライン化」はここ数年で劇的に進んでいる。講師側、生徒側双方にとっても、居住地に関わらず好きなレッスンを開講、受講できるのは大きなメリットだろう。

 しかし、今、私はそんなオンラインレッスンプラットフォームの一つ「CLASS101」のレッスンを受けて、非常にガッカリしている。私の失敗をもとに、オンラインレッスンをどう探せばいいのか、どうすれば後で「失敗した」と思わずに済むのか、についてお伝えしていきたい。私はイラストの講座を受講したが、他ジャンルの講座を受講したい人にも役に立つ内容だと思う。

※この原稿作成時と行き違うタイミングになる2022/8/30にCLASS101は「定額で講座を見放題」できるプランを発表した。公式サイトには「CLASS101では1クラス当たりの平均価格は約23,000円(2021年実績・キット料金含む)となっておりました。CLASS101+では、より多くの方にお手頃にオンラインレッスンを楽しんでいただくため、年額15,600円(キット別売)とお手頃価格での見放題サービスを開始しました」と記載がある。

 

 よって、これから購入する方は比較的敷居が低いのではないかと思うが、それまでの受講者としたらたまったものではない料金改定だ。考えてみればAmazon Kindleの読み放題のプランのように、ウェブでサービスを展開する事業者は大胆な料金改定や、「○○放題」的なプランを後から提供することがある。利用者にしてみれば高値で買ってその後の大幅値下げにガッカリすることも考えられるため、新しいサービスはとにかく「待ち」が案外正解なのかもしれない。

あえて有料の講座を選んだ理由

 CLASS101は韓国発のオンラインレッスンプラットフォームで、現在、日本、アメリカでもサービスを提供している。ジャンルはアート、ライフスタイル、クラフト、デジタルイラスト、キャリア・ビジネスと幅広い。価格設定は講師の意向もあるのだろうが、1万円を超えるものも多い。ライブ型の講座もあるのかもしれないが、見た限り「購入すると、撮影済みの講座動画が視聴できる」という形式のものが多く、私が受講したのもそのタイプだ。「動画を視聴してもらう」は「ライブ型」よりも手間が少ない分、価格設定は強気な印象だ。

「CLASS101ホームページ」より
CLASS101ホームページ」より

 私が受講したイラスト界隈はYouTubeでも、多くの漫画家、イラストレーターが無償で多くの講座動画を提供している。プロが開講しているなど、有益なものもとても多く、わざわざ有料の講座を受けなくてもYouTubeで十分ではないか、という意見もあるだろう。

 ただ、有料の講座ならではのいいところもある、と自分の経験から言える。私は過去に有料のイラストのオンラインスクール「パルミー」を受講したことがあるが、有料ならではの良さがあった(なお、この記事はパルミーのPRではない)。

 有料ならではの一番の良さは「時間の無駄が少ない」という点だ。パルミーは登録すればさまざまな講座が見放題になり、講師もイラストの専門学校の現役講師など、講師としての実績がある人も多く、教え上手な人が多かった。

 一方、YouTubeは誰でも発信者になれるため、玉石混交の「石」の率が高く、「その中から今の自分の状況にフィットをしたものを探す」というのが案外手間だ。「タイトルとサムネイルの画像のセンスはとてもキャッチーなのだが、中身はさっぱり」な、見せ方だけやたら達者な羊頭狗肉な動画も多い。これは講座に限らないが、手軽に情報発信ができる今のネット社会は、「石」の割合が極めて多い玉石混合状態であり、逆に言えば「ここに行けば、ある程度のクオリティが担保されます」ということ自体が価値になる。

1万円以上の動画で「ほぼ手元のみ」

 一度受講して信頼しているパルミーで今回も受講すればよかったのだが、私が今回CLASS101で受けたい、と思った講師(以下、A)はパルミーでは講座を開いておらず、また、Aのイラストの技法は先進的なもので、パルミーでもYouTubeでも似た講座はほぼない、という状況だった。Aは若くしてイラストの大きな仕事も手がけ、フォロワーも多い人気イラストレーターだ。

 若き天才が最新技法を駆使するイラスト動画ということで、納得し1万数千円を払って購入したのだが、その動画は、ただ描いている手元を映しているというもので「何に気を付けて描いているのか」「どこがポイントなのか」といった説明がほとんどないものだった。今時、YouTubeの動画配信者でも、もっと気を使って配信するだろう(Aの場合はリアルタイムの講座ではなく、動画を購入するタイプだった)。

 仮にこれが3000円の動画なら私も我慢するが、1万数千円もしておいて(なおこれは早割の料金なので、実際はもっと高い)これは説明が足りなすぎるのではないかと運営会社に問い合わせをしたところ、おそらくそういった声が複数届いていたようで、しばらくして、受講者にアンケートを取り改善していますと連絡が来た(なお、その連絡もずるずると何回か遅れた)。

 そのため、「ただ手元を映すだけでなく、ポイントをしっかり解説してほしい」などと改善点を伝えたものの、その後はA4一枚のソフトの操作キーのマニュアルが提供されただけで、「これじゃない」感満載の、Aのやる気のなさが伝わるような対応だった。期待させておいてガッカリさせるくらいなら、アンケートを取らない方がよかったように思う。

 まずAのやる気がないように感じられるのだが、運営側も仕事をしていないと思った。運営はよりよいサービスを提供するために存在するのであり、講師のやり方に問題があったり、そういった問い合わせがあったりしたときには、間に立って何とかするのが仕事だと思う。しかし、おそらくCLASS101の運営はあまり波風を立てたくなく、講師から来たものを右から左に流しているように見えた。右から左に流すだけなら私でもできる。

 ということで、講師と運営が大外れだったのだが、ここからは、いかにしてこの記事の読者の方が、イラストに限らず「有料のオンラインレッスンでハズレ講師を引かないために、どこに気を付ければいいか」について、触れていきたいと思う。

有料講座を選ぶ際の3つの注意点

 以下、ガッカリしないための見極めポイントを挙げていきたい。

①講師が若いからダメ、とは限らない

 今回の講師はおそらく現役大学生だ。そのため「若い講師は期待できない」と言えなくもない。しかし、私は「sessa」という別の絵の添削サービスで別の現役美大生の講師からとても有益なアドバイスを得ているので、年齢はそこまで関係ないのではないかと思う。

 みなさんも「年配でぱっと見の貫禄、風格はあれど、人に何かを教えたり、説明するスキルはしょぼい人」に心当たりがあるはずだ。年齢を重ね熟練していくベテランもいるが、「年輩者に気を使い、周りも指摘できず……」でダメになっていくケースも少なくないように思う。

講座の評価を見てから受講すべきだった

 講師の年齢は関係ないと思うが、講座の「評価」は重視すべきだったと思う。近年、ネット上の「レビュー」といえば、捏造とやらせとサクラと、レビューを書くより治療やカウンセリングを受けてみてはと思うような、メンタルの調子がどう見ても悪い人の妄言、暴言が目につく。

 また、「食べログ」ではおじさん構文によるおじさんポエムがなぜか流行、「楽天」ではまだ商品が届いていないのにレビューをするともらえる特典目当てに「まだ届いてないけど5つ星です!」と投稿するうつけが湧く有様で、ネットのレビューなど屁の役にも立たないと思っていた。

 しかし、今回の件を通じ、ユーザーレビューの意義を痛感した。というのも、CLASS101は現時点(2022年8月)で公式サイト内に「講座のレビュー」がない。受講したい人が事前に公式サイトから評判を知ることができないのだ。このやり方は不誠実だと思う。

 レビューは「商品やサービスにすごく不満な人」ほど筆をとりがちなので(思えばこの記事もそうだ)、荒れる可能性の高いものではある。しかし、不満の声の中には「真っ当な批判」もあるし、「これは商品やサービスがおかしいのではなく、不満を言っている側のメンタルがおかしい」というのは見ればわかる。「レビューを載せない」というのは、運営側が逃げているとみられても仕方ないだろう。

③高額なサービスを購入する前に、無償か低額のサービスで講師の力量を測っておくべきだった

 今回のAはSNSなどでは講座やメイキングのようなものを出していなかったが、月額制のファンクラブ的な別サービスを利用しており、そこでメイキングなども少し公開していたようだ。

 いきなりCLASS101で高額の講座を申し込むより、そちらを見て、Aの教える力量を見ておけばよかったとは思う。

Aの絵もすっかり嫌いに…

 今回、改めて「名プレイヤーと名監督は違う」と思い知った。Aは絵においては若き天才だったものの、「絵を教える」というスキルはポンコツで、それだけならまだしも、講師としての態度もかなり不誠実だったため、Aの絵もすっかり嫌いになってしまった。

 また、Aの場合はわからないが、ツイッターでCLASS101を検索すると、「CLASS101の運営に声をかけられ、講座を開催することになった」という講師側の声をよく見る。SNSで人気のあるイラストレーターなどに運営が声をかけていると思われるのだが、スカウトした手前、Aのような適当な講座を出されても右から左、という状況なのであれば、受講者側としては非常に困る。少なくとも、レビュー欄は設定した方がいいだろう。

「学びたい」というのは前向きで素敵な気持ちだが、それが期待外れな講座内容で終わってしまうというのは、チャレンジしようと思った自分の気持ちにまで水をひっかけられるような、とてもむなしく悲しい出来事だと思う。私の失敗を活かし、みなさんは自衛の上、楽しく有益な学びを得てもらえれば私も浮かばれる。

石徹白未亜/ライター

石徹白未亜/ライター

ライター。得意分野はネット依存・同人文化(二次創作)・ファッション。ネット依存では自身の体験をもとに書籍『節ネット、はじめました』(CCCメディアハウス)を執筆、NHK『ハートネットTV』、フジテレビ『バイキング』、朝日新聞、週刊文春等メディア出演多数。個人に向けたスタイリストとしても活動しており、著書に男性スーツ本『できる男になりたいなら、鏡を見ることから始めなさい。』(CCCメディアハウス)。ユニ・チャーム株式会社でのスーツ着こなしセミナーなど、ファッション研修も多くの実績あり。おうち大好きインドア派。同人誌と串揚げとしめさばとビールで生きてます。
●「主なプロデュース作品
『何になりたいかわからないけど就活を始めるあなたへ まず自己分析をやめるとうまくいく』辻井啓作(高陵社書店)
『自分のイヤなところは直る! 』牧野秀美(東邦出版)
『英語がサクッと口から出る 英語の「筋トレ」4センテンス繰り返しCDドリル 初級編 』渡部泰子(主婦の友社)

Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

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