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利用者急増の「クックパッドマート」使ってみた…アマゾン・西友と比較、難点も

取材・文=文月/A4studio
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クックパッドマートのホームページ

 料理レシピの投稿サイト「クックパッド」が生鮮食品のネットスーパーを運営していることをご存じだろうか。2018年夏に「クックパッドマート」という名前で開始されたサービスは、精肉店や鮮魚店、ベーカリーなど地元で人気が高いお店、農家がこだわった食材をアプリで注文できるネットスーパー。新鮮な魚介類やジューシーな肉類、瑞々しい青果類などさまざまな食材が産地直送で届けられるというのがウリ。ちなみに注文は一品から可能で、各地に設置された「マートステーション」で商品を受け取れば、配送料はかからないという便利さも魅力だ。

 そんなクックパッドマート、値段もお安めなので、コスパ良く新鮮な食材を手に入れられるのも利点のひとつ。また定期便を頼めば、たまご10個入りパックをなんと100円(税込108円)でゲットできることもあるとのこと。現在、東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県エリアを中心に対象範囲を広げており、出店者数1000店超、商品数約1万5000種類も展開している。定期便の登録者は2022年2月から7月までの約半年間で50倍ほどにも激増しており、苦しい家計を助けるお得ネットスーパーとして脚光を浴びているのである。

 しかし、どんなところがお得なのかは実際に使ってみないとわからない。そこで今回はクックパッドマートを利用し、その使い心地についてレポートしていく。またネットスーパー大手である「Amazonライフ」と「楽天西友ネットスーパー」も利用し、忖度ナシで比較していきたい。

料金は安いものの、受け取り場所には限りがある

 今回購入する食材は「卵10個」「鶏もも肉」「まぐろ刺し身」「大根1本」の4品。なお商品の選出基準は、検索してみてなるべく安いものを選ぶこととした。

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受け取り場所の設定

 では、はじめにクックパッドマートをレビューしていこう。アプリをダウンロードし、最初に行うのが受け取り場所の設定だ。自宅の郵便番号を入力すると、受け取り可能なマートステーションが表示される。ちなみにJR新宿駅の郵便番号である「160-0022」で検索してみると、画像のとおりかなりの設置場所が確認できた。しかし、新宿駅付近は大量にあるものの、少し郊外に離れると、まったく設置されていないところもあるので、利用前は要確認だ。なお自宅まで配送することも可能だが、税込5000円以上注文しないと送料がかかるため、できる限りマートステーションを利用したいところである。

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検索してヒットした商品
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商品の詳細ページ

 受け取り場所を決めれば注文可能に。さっそく検索ボックスから好きな食材の名前を入力して検索すると、画面いっぱいに商品が表示される。それぞれ違う出品者の食材となっており、見渡してみた感じ、スーパーの相場より低めに金額が設定されているように感じる。ちなみに「卵」と検索しても、普通の卵パックだけではなく、たまごふりかけや味玉などが表示されるので、検索する際には「卵 パック」と工夫して検索する必要がありそうだ。

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直近の届け日

 気になる商品を見つけてクリックすると、その商品の詳細ページへと移る。原産地や内容量、消費期限などが表示されるほか、直近90日間の出荷完了率も確認できる。産地直送なので、そのときどきの収穫率で発送に影響する可能性があることも頭に入れておくべきだろう。そして、直近でお届けできる日も案内される。最短翌日に届くという仕様になっているのだが、地域によってどうしても差が発生するらしく、東京の23区外に住む筆者の場合、最短でも2日かかる商品がほとんどだった。

たまごは破格の安さ、受け取り方法もとても簡単

 こうして商品選択が完了。卵に関しては先述したとおり、「選べる定期便」というサービスがあるので、そちらから注文。これは「卵10個」「食パン5枚」「牛乳1L」のいずれか選んだ1商品が週1で届けられるというサービスであり、利用料はなんと税込108円。いつでも解約可能で、家計には優しいサービスだが、予告なく終了する可能性もあるとのことなので注意すべし。

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決済画面

 それでは決済してみよう。支払い方法を入力し、クーポンがあればここで使用しておく。なおマートステーションで受け取るという性質上、ほかの利用者が注文した商品も入っている場合がある。そのため、プライバシーに配慮して受け取り名は任意で決められるのだ。

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会員選択画面

 注文前には無料会員のままか有料会員になるかも選べる。有料会員は月額990円で全商品10%引き、会員限定セットの注文、「選べる定期便」3種のすべてが注文可能となっており(期間限定)、頻繁に利用したい方にとってはお得なサービスだ。とはいえ、たまに使うぐらいなら無料会員でもお得なので、わざわざ有料会員にならなくてもいいだろう。

 決済が終わり2日経過して、午後12時ぐらいに注文した商品がマートステーションに届けられたとの通知を受信。ちなみに基本的に配送された翌日の朝8時ごろまで受け取り可能となっている。

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マートステーション

 こちらがマートステーション。左側にある読み取り機にQRコードを読み込ませると、ドアが開けるようになり、商品を取り出せる。中身にはかご一つひとつに商品が入っており、自分の設定した受け取り名の商品を手に取る。

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受け取った商品

 ここまでがクックパッドマートの主な使い方だ。では次からは「Amazonライフ」と「楽天西友ネットスーパー」で注文した商品と比較してみよう。

競合の「Amazon」「楽天」と比較

 クックパッドマートと同じように、ほか2社でも予め商品を頼んでおいた。下記、価格を比較した表を掲載する。

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価格の比較表
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Amazonライフで注文した商品
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楽天西友ネットスーパーで注文した商品

 大手2社と比べてやはり目を惹かれるのは、クックパッドマートの卵の圧倒的な安さだ。Amazonも楽天のどちらも200円を超えていたのに対し、約100円とかなり安いのがわかる。ただ卵に関しては定期お得便を利用した場合の金額であり、クックパッドマートでも普通に頼めば200円台の商品もある。

 次に大根もクックパッドマートが安い値段となっていた。大きさはどれもあまり変わりがなく、個体差は感じられなかった。ただクックパッドマートのみ、かごに入れるためか大根が半分に切り落とされている。なおクックパッドマートは青果類の価格が安く、大根以外にもお値打ち価格なものが集まっていた印象だ。

 鶏もも肉とまぐろに関しては、クックパッドマートはAmazonと西友よりも価格面ではお得とはいえない結果となった。しかし、味のほうはというとAmazon、西友の鶏もも肉が若干のブロイラー臭さを感じたのに対し、クックパッドマートのほうは臭みもなくジューシーで美味しくいただけた。

 まぐろに限っては、クックパッドマートは国産という表示があったものの、Amazonが本マグロ入りだったり、楽天が頭ひとつ抜けて安かったりと、クックパッドマートが抜きんでているポイントはなかった。

 なお配送日時については、Amazonと西友の2社は注文した当日中の配送が可能となっている。実際、筆者が注文したところ、Amazonは午前0時ごろに頼んだらその日の午後13時ころに届き、西友も午前11時ごろに注文して午後18時には届いた。もちろん地域差もあるだろうが、クックパッドマートが配送に1~2日ぐらいかかることを踏まえれば、とにかく早く食材を手に入れたい方はAmazonか楽天を利用するほうが便利だろう。ただ、それぞれ配送料が最低でも390円、330円もかかるので(一定の購入金額を超えると無料)、余分な費用がかからないのはクックパッドマートの利点といえる。

 Amazon、西友との比較を通して、全体的に安い価格帯であったクックパッドマート。特に青果類、卵などに強い印象があり、日常的に使う人であれば利用したほうがいいと感じた。ただ肉類や魚介類は鮮度管理が難しいのか、お得とはいえない結果に。今後に期待したいところだが、今のところはほかのスーパーで買い物をしたほうがお得かもしれない。

 配送も時間はかかるものだったが、全体的な満足度は高かった。気になる方は本記事を参考にしてクックパッドマートで注文してみてはいかがだろうか。

(取材・文=文月/A4studio)

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エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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