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もはやペースト…天下一品・こってりMAX「1210円」の価格妥当性に意外な評価

文=Business Journal編集部、協力=山本剛志/ラーメン評論家
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天下一品・こってりMAX(同社HPより)

 元祖「こってり系ラーメン」で知られるラーメンチェーン「天下一品」が新商品「こってりMAX」(並:1210円、大:1400円/税込み/店舗によって異なる)を発売。同チェーンの通常のラーメン「天下一品 こってり」ですら「食べると決まってお腹を下す」という声もあるなか、「天下一品史上 最強こってり」を謳う新商品の登場とあって、早くもSNS上では「もはやスープじゃなくペースト」「脂質えぐすぎる」などと「波紋」を呼んでいるようだ――。

 全国に222店舗を展開中(6月7日時点)の天下一品は、昭和46年(1971年)に創業者の木村勉氏が京都で始めたラーメンの屋台が発祥。2021年には創業50年を迎え、現在は年商約200億円の一大チェーンに成長した。そんな天下一品の代名詞といえるのが、木村勉氏が3年9カ月もの歳月をかけて完成させたというスープを使用するラーメン。現在、「野郎ラーメン」や「ラーメン二郎」など「こってり系」の店は珍しくないが、天下一品はHP上で「半世紀も前にこの『こってり』というジャンルを創造した木村勉は、食文化に金字塔を打ち立てたと言っても過言ではありません」としている。

 ちなみに天下一品のラーメンメニューとしては「こってり」のほかにも、「あっさり」や、こってりとあっさりの中間味である「屋台の味」、北海道の赤味噌と愛知県の豆味噌』をブレンドした濃厚味噌を鶏白湯スープと融合させた「味噌ラーメン」もある。このほか、サイドメニューとして「ギョーザ」や「チャーハン」、さらには「デミカツ丼」「明太子丼」「鶏山椒丼」といったユニークなメニューもそろっている。

天下一品、「食べると決まってお腹を下す」といった声も

 そんな天下一品は新商品「こってりMAX」を一部店舗で発売(6月12日から全国販売開始)。ただでさえ「こってり」な同チェーンのラーメンだが、新商品は「スープにレンゲを沈めると、スープが凹むほどにこってり」(HPより)という代物で、

「麺へのからまりもMAX。スープがたっぷりとからまった麺をズズ〜っと食べすすめると、麺がなくなったときには、どんぶりにスープが残らないほど」(同)

だという。HP上には、ドロッとしたスープと、それと絡み合う麺の動画がアップされているが、SNS上では

「一回は食べてみたい」

と期待の声があがる一方、

「普通のこってりでも胸焼けするのに」

「いかにも高血圧モード確定」

「砂場の泥水」

「1210円か じゃあイラナイ」

「1400円払う価値あるんか?」

「くさそう」

「スープも血液もドロドロ」

などさまざまな反応がみられる。

 天下一品といえば、鶏がらと十数種類の野菜を使用して丸一日炊き上げたスープが特徴的だが、以前からSNS上では「食べると決まってお腹を下す」といった声も多いだけに、通常のメニューを上回る「こってり」スープの投入が話題を呼ぶのは当然といえよう。

「二郎系や天下一品でお腹を下す人は少なくないですが、これらのお店のラーメンは大量の油が特徴なので、原因は油にあると思います。消化不良、つまり腸内に入った食べ物や水分が吸収されにくい状況が引き起こされていると考えられます。化学調味料という可能性もありますが、化学調味料は飲食店ではラーメン以外の料理でも結構な頻度で使われており、一番の原因ではないと思います。ただし、化学調味料に敏感な人のなかには、舌がピリピリしたり、肌に異変が出る人もおり、原因のひとつとしては残されると思います」(飲食プロデューサーで東京未来倶楽部(株)代表の江間正和氏/3月25日付け当サイト記事より)

「こってりMAX」はラーメンのエスプレッソ

 実際に店舗で実食したラーメン評論家の山本剛志氏はいう。

「スープはシチューとまではいかないまでもペースト状になりかかっていて、通常の『こってり』ラーメンの上を行くこってり感ではあるものの、しょっぱさなど味付けはそれほど強すぎず、鶏肉や野菜などスープの素材そのものの味が何層にも重ねられているという印象で、油分もそこまで強くありません。なので意外に食べやすいですが、食べ終わった後に胃に重さがズシンと来るので、そのときの体調とよく相談してから注文すべきでしょう。

 お腹が空いているときは『こってりMAX』がお薦めですが、餃子や鶏の唐揚げなどサイドメニューと一緒に食べる場合は、通常の『こってり』のほうがよいかもしれません」

「並」サイズが1210円、「大」サイズが1400円というラーメンとしては強気の価格設定となっているが、果たして価格の妥当性があるいえるのか。

「コーヒーだと濃いエスプレッソは小さいカップでもレギュラーのコーヒーより高価格ですが、『こってりMAX』は『ラーメンのエスプレッソ』といえます。『こってりMAX』は『こってり好き』が高じた人向けのメニューであり、ある意味でマニア向けともいえ、個人的にはこのくらいの金額は取ってもいいと感じますし、一度は試しに食べてみる価値はあると思います」

 こってり系ラーメンの代表格ともいえる『ラーメン二郎』と比べて、どちらがこってりなのかも気になるところだが――。

「天下一品と二郎は、大きなカテゴリーとして同じ『こってり系』に分類できるかもしれませんが、二郎は豚肉の油の多さに由来するこってりで、天下一品は鶏肉主体のこってり。両者は180度とまではいかないまでも90度違う方向性なので、比較は難しいというのが正直なところですね」

 また、山本氏は「こってりMAX」を注文する際には絶対にやってほしいことがあると力説する。

「ライスを一緒に注文するのは必須です。麺をすべて食べ終わった後に、そのライスを残ったスープに入れて食べるのがお薦めです。特に、一部店舗のメニューにあるキムチを乗せたライスがお薦めで、辛くて酸味のあるキムチとライスは絶対にこのスープに合うので、ぜひ試してみてください」

(文=Business Journal編集部、協力=山本剛志/ラーメン評論家)

山本剛志/ラーメン評論家

山本剛志/ラーメン評論家

2000年「TVチャンピオン」ラーメン王・ラーメン評論家・ライター・「ラーメンwalker」百麺人・「日本ラーメンファンクラブ」実行委員会代表委員
仕事依頼はDM、rawota@gmail.com
ラーメン評論家 山本剛志のら~マニア共和国

Twitter:@rawota

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