先祖代々受け継いできた土地と資産を守り、子の代に受け継ぐのが「地主」の使命。しかし、「相続が3代続くと資産はなくなる」といわれるほど相続税の高い日本において、これは難しい仕事でもある。
土地を守るためには、いかに土地を使って収益を得るかが最重要課題。本企画「土地と資産を守り抜け!今知るべき地主の心得」では『地主の決断 これからの時代を生き抜く実践知』(松本隆宏著、サンライズパブリッシング刊)からそのための知識を授ける。第3回の今回は地主の資質について。成功する地主とそうでない地主は何が違うのだろうか?
成功する地主と失敗する地主を分けるもの
まず、地主が資産を守り、増やしていくための出発点となる考え方がある。それは、「今自分が持っている資産は自分だけのものではない」という考えだ。基本的に、地主の資産は先祖が築き、代々引き継いできたものであって、自分で汗水たらして得たものではない。だからこそ、その資産を減らすことなく次の世代に引き継ぐことが地主の使命となる。先祖や家族、親族、会社を運営しているならその従業員など、地主の資産は多くの人の協力の上に成り立っていることもしっかり認識しておくべきだろう。
自分の資産は自分で作ったものではないし、自分だけのものでもない。自らの置かれた状況と自分自身について客観的に把握することが地主として資産を守り、あるいは増やして子の代に引き継ぐための第一歩なのだ。
「相続税の圧縮」をゴールにしてはならない
また、「相続税」についての考え方も、地主の資産防衛の成果を左右する。これまでにも繰り返し述べてきたように、日本の相続税率は高く、地主としてはこれをできるだけ低く抑えたいと考えるのは当然だ。
しかし、本書では「相続税の圧縮」はあくまで結果論にすぎないと指摘している。持っている土地を活用して収益を得る。その事業活動のキャッシュフローを改善することで、結果的に相続税が圧縮されるというのが本来望ましい形であって、相続税の圧縮だけを考えてしまうと、打つ手が短期的な視野に基づいたものになりやすい。相続税の圧縮は「ゴール」ではない。ゴールはあくまで「経営の改善」なのである。
資産を子どもの代、孫の代まで減らすことなく引き継ぐためには、長期的な視点が必要となる。本書では、「経営者」としての地主が持つべき長期的な視点についても解説していく。
「相続税」ばかりが気になっている地主に長期的な繁栄はない。今種をまき、事業を育て、子孫の代が栄えるような事業運営について、本書から得られるものは多い。
(文=新刊JP編集部、監修=税理士法人 深代会計事務所 副所長・横山洋昌)
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