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「損保ジャパンの次は三井住友海上か」ビッグモーターへ出向者、金融庁調査

文=Business Journal編集部
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三井住友海上保険のHPより

 自動車保険の保険金水増し請求問題を起こした中古車販売大手ビッグモーターの板金部門(自動車修理部門)に、大手損害保険会社の三井住友海上保険が出向者を出していたことがわかった。三井住友海上は当サイトの取材に対し、「2017年度から板金部門に合計3人が出向していました」との回答を寄せた。板金部門は不正が起きた部門であり、ビッグモーターとの癒着が指摘されている損害保険ジャパンも04年から約20年にわたり出向者を送り続けており、問題を受けて損害保険ジャパンの白川儀一社長は辞任。金融庁は損保ジャパンに19日から立ち入り検査を実施しているが、金融庁は三井住友海上に対して保険業法に基づく追加の報告徴求命令を発令し、調査を継続。また、昨年6月頃に損害保険会社各社がビッグモーターとの取引を停止するなかで取引を再開し保険契約シェアを拡大させた損保ジャパンの役員会議議事録に、三井住友海上がビッグモーター経由の保険契約を獲得するために同社に対して不正を深く追及しない旨を伝えているとの記載があるとも一部で報じられており、三井住友海上の周辺が慌ただしくなりつつあるようだ。

 ビッグモーター経営陣は7月25日、騒動後初となる会見を実施し、それから2カ月が経過したが、同社をめぐる動きは沈静化の様子が見えない。8月の中古車の販売台数は例年と比べて7割以上の減少、車の買い取り台数は5割以上の減少(15日付「NHK NEWS WEB」記事より)となるなど業績悪化が深まるなか、同月には銀行団から借入金90億円の借り換えに応じない旨を伝えられており、資金繰りのため中古車販売店「ガリバー」の運営会社IDOMの株式売却を検討しているとも報じられている。すでに単独での生き残りは断念し、外部資本の受け入れによる再建に向けて動いているとも伝えられている。

 一方、ビッグモーターで行われていた不正行為の発覚は後を絶たない。消費者庁は5日、22年度に同社に関する相談が約1500件も寄せられていたと発表したが、同社が提供する撥水(はっすい)加工「ダイヤモンドコーティング」をめぐり、営業担当者がコーティングを望んでいない顧客に対し車の販売は困難だと伝え、顧客から約7万円のコーティング料金を取って販売したものの、コーティングを施さないまま納車した事例もあったという(1日付「FNNプライムオンライン」記事より)。また、トヨタ「クラウン」の最上級クラス「RS Advanced」の購入を希望し購入契約の締結と頭金の支払いも済んだ顧客に対し、営業担当者が5段階下のクラスの車を納車しようとしていたこともあったという(5日付「FNNプライムオンライン」記事より)。

 このほか、女性がビッグモーターで「アウディ」の車検を受けたところ、その2カ月後に故障したため店舗に修理を依頼すると、「廃車にするしかない」と言われ、中古の軽乗用車を購入させられたというケースもあったという(25日付CBCテレビ報道より)。

損保ジャパンがおかしたご法度

 影響は他業界にもおよんでいる。金融庁は損保ジャパンとビッグモーターに19日から立ち入り検査を実施したほか、これに先立つこと7月にはビッグモーターと取引があった損保会社7社に対して、保険業法に基づく報告徴求命令を発令するなど、損保業界にまで影響が広まっている。

「昨年6月の問題発覚を受けて損保各社は一斉にビッグモーターへの入庫紹介を中止したが、損保ジャパンは抜け駆け的に取引を再開。横並び体質の損保業界でこの行為はご法度で、損保ジャパンの単独行動によって結果的に業界全体に火の粉が広まった。特に、公になった損保ジャパン社内の役員会議議事録のなかで社名が出てきた三井住友海上は大きなとばっちりを受けたかたちとなった。

 ビッグモーターとの取引再開について損保ジャパンは持ち株会社であるSOMPOホールディングス(HD)に相談・報告をせず独断で進めたが、8日に行われた両社の会見では、それに対しSOMPO HDの櫻田謙悟会長がかなり怒っていることが伝わってきた。会見で櫻田会長は引責辞任を否定し、ビッグモーターが損保ジャパンにとって大口の取引先であることは『経済誌の記事が出た時に初めて知った』と言っていたが、両社の取引が始まったのは櫻田氏が損保ジャパン社長の座にあった2010~12年より前のことであり、この言葉を額面通りに受け止める向きは少ない。もし仮に金融庁が損保ジャパンに業務停止命令を出す事態になれば、親会社のトップとして櫻田会長の責任の取り方が焦点となってくる」(全国紙記者)

三井住友海上の見解

 そんななか、にわかに周囲が騒がしくなっているのが三井住友海上だ。前述のとおりビッグモーターに出向者を出していたことが判明し、金融庁が追加の報告徴求命令を出したこともあり、一部業界内では「金融庁は損保ジャパンの次に三井住友海上も狙っているのか」と取り沙汰されているのだ。

 なぜ三井住友海上はビッグモーターに出向者を出したのか。また、出向者はどのような業務を行っていたのか。当サイトの取材に対し同社はいう。

「・目的:BM社の業容急拡大に伴って板金塗装未経験の工場従業員を大量に採用したことを受け、修理作業の品質を確保への要請を受け、対応したものです。
・業務内容:弊社出向者は、各店舗での巡回指導を担っており、業務として事故車両の損傷診断や適正な見積作成方法などの改善指導を行っていました」

 では、損保ジャパンの役員会議議事録にあったように、三井住友海上がビッグモーター経由の保険契約を獲得するために同社に対して不正を深く追及しない旨を伝えていたという事実はあるのだろうか。

「当社がビッグモーター社に対して、『不正について深く追求しない』と伝えた事実はありません」(同)

 損保業界関係者はいう。

「損保ジャパンの役員が白川元社長にビッグモーターとの取引再開を促すために、三井住友海上の名前を持ち出しただけだろう。同じ損保業界でも、ゴリゴリ営業体質の損保ジャパンと、旧財閥色が強く品行方正で物腰が柔らかい東京海上日動火災保険、三井住友海上は体質が異なる。三井住友海上が保険契約を増やすことを狙ってビッグモーターと裏取引的なことをしていたとは考えにくい。ただ、なぜ出向者を送り込んでいたのかは気になるところだ」 

(文=Business Journal編集部)

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