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開発に3年「タルタルソースinファミチキ」衝撃の完成度…KFCに勝てる?

文=佐藤勇馬、協力=重盛高雄/フードアナリスト
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ファミリーマートの「タルタルソースinファミチキ」と「タルタルソースinクリスピーチキン」

 ファミリーマートが、2月13日から新商品「タルタルソースinファミチキ」(税込248円)と「タルタルソースinクリスピーチキン」(税込188円)を数量限定で発売。中にタルタルソースを入れた革命的な商品で、試行錯誤を繰り返しながら構想から約3年で完成に至った。同社が「ファミチキ新時代」と自信を持って送り出した両商品を、飲食のプロフェッショナルが「忖度なし」で試食レビューした。

 ファミチキは、揚げ物文化が根付いている沖縄のファミリーマートが2000年にフライドチキンを独自販売したことがはじまり。これがヒットしたことで本部が骨付きフライドチキン「フラチキ」を全国販売したが、骨付きは食べにくいという意見があり、2006年に現在も愛される骨なしの「ファミチキ」を発売するに至った。

 当時、フライドチキンはケンタッキー・フライド・チキンの「一強」時代。競争相手が極めて少ない「ブルーオーシャン」だったため、そこに乗り込んだファミチキの人気は一気に拡大した。これを受けて、2007年にセブン-イレブンがフライドチキンの本格販売を開始し、2009年にはローソンが「Lチキ」を発売。ケンタッキーを含め、四つ巴のチキン戦争が激化していった。

 「元祖コンビニチキン」であるファミチキは、昨年9月に累計販売数20億食を超え、ファミリーマート全商品の中で売上数量No.1の商品となっている。だが、先述したように競争が激しくなったことで他社との差別化が大きな課題となった。

 そうした背景があり、今回の革命的な「タルタルソースinファミチキ」「タルタルソースinクリスピーチキン」が誕生したといえそうだ。構想から約3年、ソースのおいしさを保ちながら、揚げた時に衣が焦げたり、硬くなったりしないように、通常のチキン商品の2倍以上の試作を繰り返したという。製造においても通常の「ファミチキ」の約2倍の時間を要する丁寧な製法を導入したといい、渾身の逸品となっているようだ。

バランス調整が素晴らしい

 実際にどれほどのクオリティなのか、飲食産業に詳しいフードアナリストの重盛高雄氏が試食レビューしてくれた。

「今までも店によって小袋のタルタルソースが提供され、ファミチキにかけることはできたのですが、外がけだとタルタルソースの味が強く、ファミチキの味を十分に楽しめないという難点がありました。今回の新商品は中にタルタルソースを入れたというのが妙味で、これならチキンを主役として楽しむことができます。単に中に入れただけだと、多すぎれば衣からはみ出てしまいますし、揚げる温度も高すぎると脂分が溶けてしまうので、それらのバランス調整が素晴らしく、開発にはとても苦労されたのではないかと考えられます。

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「タルタルソースinファミチキ」

 味については、どちらも完成度がかなり高いです。チキンにタルタルソースというとチキン南蛮を思い浮かべる人が多いと思いますが、チキン南蛮は脂っぽさをタルタルソースの酸味などが解消してくれます。それと同じように『タルタルソースinファミチキ』は、チキンを食べていると脂っぽくなってくる口の中をタルタルソースがリフレッシュしてくれるため、揚げ物特有の口触りが咀嚼ごとに優しい口触りに変わっていくように感じます。冷めてもおいしさが持続し、楽しく食べ終えることができました。『ギトギト系のほうがいい』といった人には物足りないかもしれませんが、万人に好まれる味といえるでしょう。

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「タルタルソースinクリスピーチキン」

 クリスピーチキンはたんぱくな味わいでケンタッキーなどではあまり消費者に好まれていない印象がありますが、『タルタルソースinクリスピーチキン』は中にしっかりタルタルソースが入っているので噛むごとに酸味とうま味が加わり、カリカリの食感も楽しめるので、通常のクリスピーチキンよりおいしく食べられました」(重盛氏)

KFCとの比較

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 「タルタルソースinファミチキ」は248円(税込)、ケンタッキー・フライド・チキンのオリジナルチキンは値上げによって1ピース310円(税込)になっており、この価格差も含めて両商品について「どっちがコスパがいいか」と比較する声もある。

「前提として、ケンタッキーは国産鶏肉を使い、ファミチキはタイで材料を調達しているという違いがあります。ケンタッキーのチキンが好きな人は、肉よりも秘伝のスパイスと衣を楽しみたい方が多いと思います。一方、ファミチキに関しては手軽にチキンを食べたいときに打ってつけ。どちらも価格相応の優れた商品ですし、好みにより消費者にとっての価値が大きく変わってくるので一概にどちらがいいとはいえないでしょう。ちなみに、今回のファミマの新商品は従来のファミチキ同様にバンズにはさんで食べることができますが、その合計価格は某大手ハンバーガーチェーンのチキンを使った人気バーガーよりも安くなります。そう考えると、コスパ面は優秀といえるでしょう」(同)

(文=佐藤勇馬、協力=重盛高雄/フードアナリスト)

重盛高雄/フードアナリスト

重盛高雄/フードアナリスト

ファストフード、外食産業に詳しいフードアナリストとしてニュース番組、雑誌等に出演多数。2017年はThe Economist誌(英国)に日本のファストフードに詳しいフードアナリストとしてインタビューを受ける。他にもBSスカパー「モノクラーベ」にて王将対決、牛丼チェーン対決にご意見番として出演。最近はファストフードを中心にwebニュース媒体において経営・ビジネスの観点からコラムの執筆を行っている。
フードアナリスト・プロモーション株式会社 重盛高雄プロフィール

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