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木下隆之「クルマ激辛定食」

ホンダ・新型シビック、驚異的な完成度…ハイブリッドなのにまるでガソリン車

文=木下隆之/レーシングドライバー
ホンダ・新型シビックe:HEV、驚異的な完成度
ホンダ新型「シビックe:HEV」

  本多技研工業(ホンダ)が“EV化宣言”をして久しい。2026年にはすべての新型モデルをEV(電気自動車)、もしくはFCV(水素燃料自動車)にし、2040年にはすべての内燃機関の生産を終了して走行中に一切のCO2を排出しないクルマのみにするという。2040年までには、あと18年もある。もしくは18年しかない。その期間をどう過ごすのか――。

 そのヒントが、今回試乗した新型「シビックe:HEV」に隠されている。

ホンダ・新型シビック、驚異的な完成度…ハイブリッドなのにまるでガソリン車の画像2

 初代シビックのデビューは1972年。今年で生誕50年という節目の年になる。新型シビックは11代目。それまでの小型軽量コンパクトハッチ路線が8代目に改められ、ミドルサイズへと成長した。そして今年、本格的なハイブリッドモデルが加わったのだ。ホンダEV化の旗印のように思える。

 とはいうものの、内容は若干異なる。昨年デビューしたシビックには、直列4気筒1.5リッターターボが搭載され、しかも6速マニュアルミッションも設定されていた。エンジンは骨格からシステムまで手が加えられ、一層熟成度が増していた。平たい言葉で言えば、多額の開発資金を投じているのだ。18年後には生産されないはずの内燃機関に、である。

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 6速マニュアルも同様に、まるでレーシングカーかのような素早い変速が可能であり、その小気味いいシフトフィールは内燃機関との相性が良い。エンジンもミッションも、とても内燃機関との決別を宣言したメーカーの製品とは思えない完成度なのである。

 新しく加わったe:HEVは、さらに僕を驚かせた。その走り味はとうていハイブリッドとは思えぬもの。むしろガソリンエンジンらしさが色濃い。搭載するエンジンは直列4気筒2リッターである。内燃機関としての完成度が一層磨かれていた。

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 ハイブリッドシステムは、市街地走行では内燃機関を発電機として機能させながら、高速巡航では駆動輪と直結し、ガソリン車として走る。市街地の加減速ではエンジンとモーターを併用する。ひとたびアクセルペダルを強く踏み込むと、スポーツカーのようにエンジンが躍動感を伴って吠える。

 アクセル開度に連動してアクティブサウンドコントロールが電子音を重ねることで、まるで高精度なガソリンエンジンのような爽快な吹け上がりを披露するのだ。

 計器盤にはモーターパワーの表示計がある。だが、それとてアクセルの開度に比例して、まるで内燃機関のタコメーターのように激しく針が動く。そもそも、組み合わされる2モーター内蔵CVTミッションは、6速マニュアルのようにレスポンス良く反応するのだ。聞かされなければ、内燃機関自慢のスポーツカーと錯覚してしまいそうである。

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 このように、新型シビックe:HEVは、ガソリン車の感覚を強く残している。これは、これまで優れた内燃機関を世に送り出してきたホンダの意地なのか、脱内燃機関化への抵抗なのか、あるいはこれで2040年まで乗り切るつもりなのか……。

 環境性能の高いハイブリッドの投入は、脱内燃機関宣言をしたホンダの戦略に沿うものだ。EVやFCVは、まだ販売的に軌道には乗っていない。だから、それまでの18年間はハイブリッドが主力であり続けるに違いない。だが、繋ぎのモデルとしては力が入りすぎている。

 ともあれ、新型シビックe:HEVの完成度は驚くほど高い。

(文=木下隆之/レーシングドライバー)

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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