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今年のIPO(新規株式公開)は50社程度(昨年は36社)というのが証券界の見方だ。これを後押しするのが、JALに代表される再上場組だ。04年に上場廃止になった西武鉄道(5月1日付で若林久社長)を傘下に置く西武ホールディングス(HD)は、早ければ年内にも再上場する。米投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネジメントの出資を受け、みずほコーポレート銀行副頭取だった後藤高志氏を社長に迎え入れ、リゾート施設の売却など不稼働資産の整理を進めてきた。西武HDの再上場で堤義明氏が出資する会社が筆頭株主になり、実質、復権すると噂されている。これも大きな課題だ。
日本たばこ産業(JT)の大型の株式の売り出しもある。政府は大震災の復興財源を捻出するため、保有している株式を段階的に売却する。今年度の予算案に5000億円の政府保有資産の売却収入が計上されているが、この中に166万株強のJT株式の売却益が織り込まれている。現在、政府は財務大臣名義でJT株を500万株強(発行済株式の50%強)保有している。
株式市場には「16年サイクル」と呼ばれるアノマリー(投資理論では説明できない市場の類似性)がある。現在の株価の動きについて95~96年とそっくりだと指摘する向きがある。16年前の96年10月には、JR西日本(西日本旅客鉄道、5月1日付で真鍋精志社長)が上場。この大型上場で同社株をハメ込むために無理した反動から需給が悪化、日経平均が急落した苦い経験がある。阪神・淡路大震災後、数次の補正予算が組まれた95年から、消費税率を3%から5%に引き上げた97年にかけての経済環境が、再び消費税論議が燃えさかる昨今と非常に似ていることに着目する経済学者もいる。
JALや西武の再上場、JTの大型売り出しが想定される今年後半の株式市場。吉と出るか、それとも凶か。
(文=編集部)
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