2016年4月から電力小売りが全面自由化され、一般家庭でも既存の電力会社以外の新規参入事業者から、自由に電気を購入することができるようになる。その際、役立つのが料金プランの比較サイトだ。
電力自由化先進国のイギリスでは、需要家(消費者)が電力会社を乗り換える(スイッチング)際、自分のライフスタイルに合った料金プランを探すために、電力事業者を比較検討するウェブサイトが積極的に活用されている。
日本でも、電力全面自由化を前に同様の動きがあり、その先駆けとなっているのが、電力ベンチャーのエネチェンジだ。イギリス・ケンブリッジ大学発の同社は、約2年前から電力の完全自由化を意識して準備しており、4月に日本法人を設立、本格的なビジネス展開を始めた。
今回は、同社会長の岩崎辰之氏と社長の有田一平氏に
・日本法人設立の経緯
・エネチェンジのビジネスモデル
・今後の戦略および目標
などについて聞いた。
–エネチェンジが日本法人を設立した経緯は、どういったものでしょうか?
岩崎辰之氏(以下、岩崎) 私がイギリスで設立したケンブリッジエナジーデータラボという会社で、2年前からデータの解析や分析を行い、日本でのサービス展開を検討してきました。料金プランの比較だけでなく、複数のサービスラインを検討して、システム開発を含めて準備を進めてきました。料金プランの比較は、電力自由化先進国では一般的なサービスなので、日本でも必要だという考えからサービス開発に取り組んでいます。具体的なビジネスを展開するには、電力会社との交渉など日本に法人を設立することが必要不可欠なので、このタイミングでエネチェンジの日本法人を設立しました。
–日本で比較サイトを作る意義は、どのような点にあるのでしょうか。また、ビジネスモデルとしては、どのような仕組みを考えていますか?
岩崎 一般のお客様が省エネに関する記事を参照しながら、エネチェンジのサイトを利用して、ライフスタイルや消費量に合った料金プランを探す、というシーンが想定されます。当然、比較サイトは無料で使うことができます。ユーザーが、それまで契約していたA社からB社に乗り換えた場合、B社から紹介料をもらうというのがビジネスモデルの仕組みです。