ココイチさん、「ご飯が余ったら無料でルーを追加してくれる」伝説は本当ですか?
この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は林賢一氏が、ココイチのカレーソースサービスに関する謎について迫ります。
【ご回答いただいた企業】
壱番屋お客様サービスセンター様
カレーハウス「CoCo壱番屋」(ココイチ)のカレーの安定感といったら、富士山のごとし。カレー屋さんなんてたくさんあるのに、なぜかココイチのカレーは落ち着く。店名の由来が「カレーならココが一番や!」の略からきているだけある。そのキャッチに偽りなし、である。
最近、そんなココイチに関するある噂を聞いた。それは「カレーソースをサービスしてもらえる」というものだ。
調べてみると、確かにそのサービスは存在するようだが、無料サービスはご飯が余った場合のみで、最初からカレーソースを増やす場合には別途料金がかかるとのこと。
つまりは、カレーソースを後から注文すれば無料で、事前注文は有料ということだ。ケチくさい話だが、カレーソースを多めで食べたい場合は、後から注文したほうがお得ということなる。なぜそんなことになるのだろうか。気になる。
事前に多めにすると有料で、後から追加すると無料の謎
そこで、壱番屋お客様サービスセンター様に直接聞いてみた。
「カレーソース多めは有料なのに、ライスが残った場合は無料でソースをかけてもらえるのは、なぜですか?」
担当者 まず、サービスのカレーソースにつきましては、店内をご利用のお客様に限ります。これは、「最後までおいしくカレーライスを召し上がっていただきたい」という趣旨から、食べ進めていくうちにご飯だけが残ってしまった場合にサービスでおかけしているのです。一部の店舗で始めたサービスが全国的に波及しました。ただ、最初からカレーソースを多くしてほしいというご注文は、有料とさせていただいております。
—ココイチのカレーライスは普段からよく食べているのですが、なんとなく毎回ご飯が残ってしまうのです。そこで、最初から無料サービスの分だけ多めにかけてもらうことはできないのでしょうか?
担当者 そうですね。現状では、無料で初めから多めにかけるということはできません。
–もともと一部店舗のサービスだったというお話ですが、かなり前からカレーソースを無料で追加してもらえるサービスはあったのですか?
担当者 サービスとして行っている店と行っていない店がありました。また、どのタイミングでカレーソースを追加できるかなど、サービス内容は全国でバラバラでした。
–料金がかかっていた店もあったのでしょうか?
担当者 はい。料金がかかるところもあるなど、お客様にご迷惑をおかけするケースもあったため、全国でサービスを統一しようということになりました。今では、初めから増量のご注文については料金をいただき、ライスが残った場合にはサービスでおかけするということで統一させていただいた次第です。
–いつからそのようなシステムになったのですか?
担当者 去年の7月から、このような統一したサービスになっております。
–インターネットで、「無料でカレーソースをかけてもらえる」という噂が広まった影響もあったのでしょうか?
担当者 そうですね。そういったネットの影響も含め、不確定な情報が流れたことによって、逆にお客様にご迷惑をおかけしているという状況になっておりましたので、サービスの統一をすることになりました。
–それにしても、すべて無料にしてもらえれば、もっとも納得がいくと思うのですが、いかがでしょうか。
担当者 無料でかけてほしいというお客様のお気持ちも十分わかるのですが、商売的な観点から、すべて無料は難しいというのが現状です。
–もうひとつ気になったのが、ご飯が余った場合のカレーソース無料サービスは、具体的にはどれくらいの量なのでしょうか?
担当者 残ったご飯の量にもよりますので、一概には決まっていません。ただ、上限がございまして、お玉一杯に満たない程度です。
–では、残ったご飯の量が多かった場合には、有料で追加するカレーソースとほとんど変わらない量を無料でもらえることもあるということでしょうか。
担当者 有料でご注文いただく場合よりは、少ない量だとお考えください。
–ありがとうございました。
このように、明確な答えが返ってきた。
・注文時のカレーソース多めは有料
・ご飯が余った場合のカレーソース追加は無料
その理由は「最後までおいしくカレーライスを召し上がっていただきたい」からであって、あくまでご飯が余った場合はサービスで、本音として「商売的な観点」もあり、事前にカレーソースを多めにしてほしいとの注文した場合まで無料にすることはできない。「あくまでもサービス」というスタンスであれば、こちらとしては何も言うことはない。「ご飯が余ったらどうしよう」などと心配せずに、心置きなくカレーライスを食べられるに越したことはないからだ。
(文=酒平民 林 賢一/ライター)