「BOURGEOIS」創刊までの苦労
ブログからウェブマガジンで読者を掴んだYUSUKE氏は、次に雑誌創刊を目指した。
「創刊までの道のりで、当時22歳だった僕が苦労したのは資金面です。アイデアは山ほどあるのに予算があまりないので、とにかく想像力を働かせました。ただ企画には自信があり、達成した時のヴィジョンは見えていました」(同)
YUSUKE氏は、資金面の問題だけであきらめることはナンセンスだと思い、多くの人に会って企画を話すことを続けた。
「僕の持つイメージを多くの人に出会い共有していくうちに、どんどん周りの人たちが利害関係なく、同じ志で動いてくれました。いつも心から感謝しています」(同)
その詳細については実名を出すことができないが、YUSUKE氏の感性が多くの人を引きつけ協力を得ることができた。
「ほかにも苦労したことはたくさんありますが、すべての経験が現在に至るまでつながっていることなので、前向きに受け取っています。ロンドンで創刊して、書店に自分の作品が並んだのを初めて見たときは感動しました」(同)
起業などを目指しても、資金がないとあきらめる人も多いだろうが、YUSUKE氏のような行動力が成功するためには不可欠なのかもしれない。
「マガジンとしてはまだ4年目なのですが、『BOURGEOIS』を立ち上げたのは2013年だったので、長い月日が経過したことを実感しています。何より顔も知らない人たちが僕の作品にお金を払って購入してくださっていることは、単純に凄いことだなと今でも常々思います」(同)
山下智久を表紙に
冒頭でも紹介したが、現在発売中の「BOURGEOIS VOL.5」の表紙は、ジャニーズ事務所でも人気トップを争う山下智久だ。実現するのは簡単ではなかっただろう。
「昔の友人たちは、僕が山Pと仕事する未来なんてきっと誰も想像できていなかったはずなので、みんなも“いつか周りの人を驚かしてやろう”といった気持ちがあればできるはずです」(同)
出版界、ファッション界で新進気鋭のクリエイターとして注目を浴びるYUSUKE氏は、仕事に対して貪欲な人物である。
「現在の目標や夢は、日本のアーティストをロンドンで撮影したいということです。あとはショートフィルムでもいいので、映像制作を手がけてみたいと考えています。まだ勉強しなくてはいけないこともあるのですが、知り過ぎる前のほうが、常識にとらわれないかたちがつくれそうなので、マガジンと映像を並行してつくれたらいいなと思います。思い立ったら即座に行動に移すので、意外とすぐかもしれませんね」(同)