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世界の主要取引所では東証を上回る超高速システムの稼動が相次ぎ、アローヘッドは見劣りしつつある。来年1月に発足する日本取引所グループは、さらなる超高速競争に打って出る。世界中の市場はミリ秒以下単位の超高速売買でサヤ取りに徹し、一握りのヘッジファンドが跋扈する異様な世界に変貌した。
超高速売買システム、アローヘッド導入以後、中小証券の経営は成り立たなくなった。東証と大証の統合を機に、日本取引所株を売って社員の退職金に充てて廃業する地場証券が続出する本当の理由は、超高速売買システムにある。
東証の株主は107社の証券会社。2001年の東証の株式会社化の際に会員だった証券会社に2万株ずつ東証株式が均等に配分された。東証が大証株をTOB(株式公開買い付け)した時の価格48万円を基準にすると、東証株の理論値は1株96912円になる。2万株を持つ証券会社が全株売却すれば、20億円近いキャッシュを手にできる計算だ。
20億円は、IT革命で駆逐された中小証券にマーケットが支払う手切れ金である。
(文=編集部)
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