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「だから直接聞いてみた forビジネス」

強制的に録音されるコールセンター通話記録、実はこんなことに使われていた!

文=酒平民 林賢一/ライター

録音記録は、どう使われている?

 そこでエプソンインフォメーションセンター様に直接聞いてみた。

–「この通話は、製品やサービス向上のため、録音させていただきます」と案内がありますが、通話記録は具体的にはどのように使っているのですか?

担当者 このお電話の内容ということになりますか?

–そうです。この会話が録音され、具体的にどのように利用されているかを知りたいのです。

担当者 品質向上の具体例としては、窓口のエージェントのレベルアップのために録音を基に社員教育のようなものにフィードバックして、また次につなげることで品質向上を図っております。

–ということは、オペレーターさんの対応が正確かどうかを確認するためというのが第一なのでしょうか。

担当者 そうですね。製品というよりは、どちらかというとサービスの質向上に充てられています。

–製品自体の改善にフィードバックされることもあるのでしょうか?

担当者 お客様のご要望があったものに関しては、こちらで取りまとめて、しかるべき部署に定期的に挙げてはおります。

–たとえば、客の生の声を確認したいときに録音データを再生して聞くというケースもあるのですか?

担当者 そうですね。そういったかたちでも、担当者にご紹介させていただいております。

–なるほど。ちなみに、この録音はどれくらいの期間保管されるのですか?

担当者 そのあたりは、弊社としてお出しできる情報はないと思います。

–クレームの場合は、録音データを聞き直すケースが多かったりしますか?

担当者 なかには、そういうこともあるとは思います。

–ありがとうございました。

 このように、オペレーターにつながる前の「この通話は、製品やサービス向上のため、録音させていただきます」という文言に関しては、実際は「窓口のサービス向上」に重点的に使われているようだ。

 とてもよくわかるが、何か釈然としない気持ちが残るのも事実だ。お客様窓口でのやりとりが録音され、それが今まさにやりとりしている窓口のレベルアップのためにフィードバックされるという、考え方によってはSF的なマッチポンプ感がある。果たして、これは喜ばしいことなのだろうか。
(文=酒平民 林賢一/ライター)

林 賢一

林 賢一

1979年、五反田生まれ。脚本、構成。学生時代から古舘プロジェクトで修業。参加作品は、『トーキングフルーツ』(フジテレビ・火曜深夜24時25分~)、ドラマ『恋とか愛とか(仮)』(広島ホームテレビ・木曜深夜24時15分~)、舞台『古舘伊知郎トーキングブルース2014』、アニメ『脇役目線』(WOWOW)など。映画監督・入江悠と仲間たちによる映画メルマガ【僕らのモテるための映画聖典】で「映画のカット数を数える」という無謀な企画を連載中。

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