当時、東京キー局で流れていたのは、放送局の考査による規制もあり、マルハン、ダイナムなどごく一部の大手チェーン店のみです。どうして地方ではパチンコホールのCMがあれほど流れているのに、東京ではこれほど少ないのでしょうか。
東京キー局と大阪キー局の放送エリアは「爆発的」に広い
いわゆる、東京キー局・大阪キー局といわれる存在ですが、我々が「エリアマーケティング」を組み立てる際に大きなポイントや障壁になります。
わかりやすく東京周辺に絞って話を進めますが、東京キー局は日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京(名称は通称)の5局を指します。
東京キー局で、電波が届きテレビを視聴できる主な地域は、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県の1都6県と静岡県東部です。かつては、東京タワー(日本電波塔)からの電波で、約2000万世帯、4000万人以上が住むこの広いエリアをカバーしていました。
これは影響力が大きく、広告を一気に伝播させるには都合が良い半面、カバーエリアが大きいためオンエア料金が非常に高くなってしまいます。
例えば、埼玉県を中心に展開しているパチンコホールがあったとしましょう。そこが東京キー局でCMを流すと、埼玉だけでなく関東全域にも流れ、その分の料金まで支払うことになります。それは、店がないエリアにCMが流れるという「無駄打ち」を意味するだけでなく、店舗のないエリアに住むパチンコファンが他店に駆け込む効果を生む可能性すらあるのです。
一方、地方テレビ局は、その多くが県単位でのオンエア範囲となっています。つまり、特定されたひとつの県以外にはCMが流れないため、エリア外に対する無駄打ちが少ない広告展開ができるということなのです。
また、地方のパチンコホールがチェーン化し、県単位で店を展開している場合も多く、地方テレビ局のカバーエリアと合致していることも大きなポイントとなります。
CM1本のオンエア料金がたった5000円のローカル地域も
例えば、CMをオンエアするテレビ番組の視聴率を5%と仮定すると、東京キー局では15秒CMを1本流すのに40万円くらい。それに対して、地方放送局では5000円といった県単位地域もあります。東京キー局に対してなんと80分の1です。