これならば、地方によっては「誕生日おめでとう!」といった個人的なメッセージも気軽に流せそうです。実際は、テレビ局の考査があるため、このようなCMは困難ですが、それくらい安価になっています。
この価格差は、対象となる人口・世帯数が小さいということもありますが、リーマンショック後、地方局のCM価格が極端に下がったことも要因です。つまり、視聴対象者1人当たりのコストも地方は極端に安いのです。
また、パチンコホールのCMを“大量投下”している地方ではディスカウント率が高く、東京キー局ではパチンコ関連のディスカウント率は低めに設定されているので、実際はその差はもっと開きがあるでしょう。
中高年の方々には、パチンコ店は新聞のチラシ広告で見たイメージが強いかと思われます。パチンコファンとなるターゲットがあまり新聞を読まなくなったという背景もありますが、現在はほとんどパチンコホールのチラシ広告を見かけません。
これは、チラシをまくよりもテレビCMを使ったほうが「到達効率」が格段に良いということの裏返しでもあるのです。つまりは、ターゲット1人当たりが広告に接触するのに、チラシよりもテレビCMのほうが安いのです。
そして「新台入れ替え」「開店時間」など、パチンコファンに伝えるべきことがある程度決まっているパチンコホールでは、チラシでいろいろ書き立てるよりも、そのホールの名前をテレビCMでしっかりと想起させることで集客に十分につながるのです。
また最近、芸能人をパチンコホール自体に招いてイベントを開催することがはやっています。芸能人からしてみると、いわゆる“おいしい”地方営業です。そういった告知でも、テレビCMはタレントの顔をアイキャッチにするなど、クオリティの高い映像面が活用できる点で親和性が高いことも見逃せません。
自由な発想による“大胆な”CMクリエイティブ
繰り返しになりますが、パチンコホールのCMは、まずその店の名前を思い出させれば良いのです。もちろん、好意的なイメージを醸成したり、オープンの告知をしたりと、周辺情報はあるかもしれませんが、一般的な商品CMと比べたら訴求内容は大いに絞り込まれます。
すなわち、CMのクリエイティブが「インパクト型」で「名称訴求」さえ確保されれば、アミューズメント性を軸足として相当自由度が高いといえます。