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小早川隆治「日本のクルマづくり~さらなる志・凛・艶・昂を目指して~」

マツダCX-30は“私のカーオブザイヤー”…デザイン、質感、パッケージングに加えて走りも魅力的

文=小早川隆治/モータージャーナリスト

 今回試乗評価したFFは、新世代の車両構造技術、さらにはG-ベクタリングコントロールプラス(従来のGVCによるエンジンコントロールにブレーキによる車両姿勢安定化制御を追加)などに起因してか、ステアリング・ハンドリングの応答性、リニアリティーなども非常に満足のいくレベルに仕上がっており、ワインディングロードを爽快に走破してくれた。乗り心地も、低速での凹凸の乗り越え時に後席で突き上げ感がやや気になったことを除いては、総じて非常に良好だったことを付け加えておきたい。

 i-ACTIV AWD(状況に応じて前後輪へのトルク配分を自動的に最適化する全輪駆動方式)とG-ベクタリングコントロールプラスが協調して運動性能を向上させたというAWDも含めて、総じてCX-30の運動特性は望ましいものに仕上がっているものと推定する。

「CX-3ではちょっとコンパクトすぎる」「CX-5ではやや大きすぎる」という方は多いと思うが、CX-30は日本はもちろん、アメリカや欧州でも十分に受け入れられるパッケージングである。また、大変魅力的な内外装デザインと質感、ドライバーを魅了する走りなどにより、まさに私の視点から見た「2019カー・オブ・ザ・イヤー」といえるモデルだ。今後、世界市場におけるマツダの最量販車種となっても決して不思議ではなく、マツダの業績にも大きく貢献するものと確信する。

(文=小早川隆治/モータージャーナリスト)

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小早川隆治/モータージャーナリスト

小早川隆治/モータージャーナリスト

1941年生まれ。学習院大学卒業後、東洋工業(現マツダ)に入社。RX-7&モータースポーツ担当主査、北米マツダ副社長などを務める。退職後、モータージャーナリストとして活動。日本自動車研究者ジャーナリスト会議監事。

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