機能性を表示できる特定保健用食品(トクホ)の適用を申請していた希少糖、D-プシコース入りテーブルシュガー「レア スウィート」の審査が最終段階に入った。2月23日の食品安全委員会の審議でも安全性が確認され、年内にはトクホ表示が許可される可能性が高くなっている。
D-プシコースは甘さは砂糖の7割程度だがノンカロリー。ブドウ糖の吸収を抑制し、食後の血糖値の上昇を抑える機能でトクホを申請している。このほか臨床試験などでは脂肪の吸収を抑える「抗肥満」の効果などが確認され、生活習慣病の改善などで期待が持たれている。
すでにレアスウィートに先行するかたちで、D-プシコースなど数種類の希少糖を15%含む卓上シロップ「レアシュガースウィート」が販売されており、日経優秀製品・サービス賞(日本経済新聞)の日経産業新聞賞最優秀賞、日本栄養・食糧学会の技術賞、日本応用糖質科学会の開発賞、ものづくり日本大賞の優秀賞などを受賞している。
レアスウィートは香川大学、香川県、松谷化学工業などが進めてきた産学官のプロジェクト。なかでもこのプロジェクトで中心的な役割を演じてきたのが松谷化学工業だ。
松谷化学はトクホ市場ではトップシェアを占める企業。でんぷんからつくられた「難消化性デキストリン」という食物繊維を使用した、「抗血糖」や「抗肥満」などでトクホを取得。トクホ市場の3割を占めている。トクホコーラにも松谷化学の「難消化性デキストリン」が使用されている。
世界の糖市場を一変させる可能性
D-プシコースのトクホ申請がなされたのは2010年3月。トクホ申請は消費者庁の食品表示課に申請書を提出し、ここが消費者委員会の新開発食品評価調査会に効果を、食品安全委員会の新開発食品専門調査会に安全性を諮問。同委員会の新開発食品専門調査会での審査が終わると、評価案をまとめパブリックコメントを一定期間求めて、その結果を踏まえて修正の上で食品安全委員会が消費者庁に答申。消費者委員会調査部会が改めて安全性や効果を判断して答申をまとめ、厚生労働省の医薬食品局で医薬品の表示に抵触しないかを確認。さらに独立法人国立健康・栄養研究所などが関与成分を分析、消費者庁長官の許可が下りる。
「このなかで最大の難所といわれるのが、食品安全委員会。ここの審査に通るかどうかが、トクホを認可してもらえるかを大きく左右する」(食品業界関係者)