仕事の幅を広げたり深めたりするために資格を取ろうとしたり、周囲の人とこまめに円滑にコミュニケーションを取るということは、やっておくに越したことはないということは認識しつつも、大多数の人はやり続けられません。即効性がないからです。そうした努力をすること自体、「どこかで見てくれる人がいる」と思い続けることが重要です。それが資格となって形に残ったり、何かエピソードができたりすることは、社内で新たな仕事を得ようとする際に人事担当者とのネタになりますし、転職活動においても同様です。
そんなに興味を持っていない事柄について、自分の人生をより豊かにしたいという思いできちんと行動に移せる人は、勤勉なので何をやっても大丈夫だと思います。
外への扉を開く
社内で一通り取り組んだ上で、「やっぱり外に機会を求めるしかない」と判断したときには、まずは会社に在籍しながらの転職活動に踏み出しましょう。
オーソドックスなのは、職務経歴書を書いて、人材エージェント会社に登録して、そこのデータベースに掲載されている求人情報を探して積極的にエントリーしたり、あるいは転職エージェントやキャリアコンサルタントと相談して、求人情報を紹介してもらったりすることです。
大方のキャリアコンサルタントは非常に忙しく、そして実に「正直に」対応してくれます。そのため、面談をして「何か相性にフィットした求人が出ましたら情報送りますね」という結びで終わった場合は、そのコンサルタントはあなたに手間をかけている時間がないので、あなたのために時間を割けないというサインであり、希望するような求人情報が後日送られてくることはないと思っていいでしょう。キャリアコンサルタントは高いノルマ(採用成立時に企業側から払われる成功報酬)を課せられている以上、成功率が低いと判断した人に対してあまり時間を割きたくないというのは当然でしょう。
また、最近は「こういった職歴・キャリアの人はこうしたところに転職した」というデータが蓄積されているため、システムによる自動処理も進んでいるようです。よって、職務経歴書を一生懸命書いて登録しても、システムによって「この人は、だいたいこんなもの」と判断され、なかなかキャリアコンサルタントとじっくり相談できないケースもあるようです。
その場合は、とりあえず自分でいくつかの会社に応募してみて、書類選考や面接を受けていきましょう。結果が芳しくないようであれば、考え直して今の会社に腰を据えて何かに取り組み、職務経歴書に興味深いストーリーを書くためにがんばるというのも、至極真っ当な選択肢です。