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これに対して販売台数が1015万台で世界トップのトヨタのブランドは、トヨタ、レクサス、ダイハツ、日野の4ブランドだが、販売台数の大半がトヨタブランドで占められる。しかし、この規模をトヨタブランドだけで開発・生産してグローバル市場で販売するのには無理が生じている。すでに「組織が硬直化して意思決定に非常に時間がかかる」(トヨタ系部品メーカー)など、大企業病を懸念する声も顕在化している。
このため、カンパニーが独自に車を企画・開発・生産する体制を構築する方針で、将来的には、GMグループやVWグループのように、カンパニーが新しいブランドを立ち上げることも想定され、グローバルな自動車メーカーとして持続的に成長できる戦略を描く。
役員体制は後退
一方で、同時に発表した役員体制では、グローバル自動車メーカーとして後退した感がある。外国人取締役の増員や女性役員など、今回目玉となる役員人事は皆無だ。前述したハンプ氏の事件が影響している。
「今年の役員人事で女性役員を選任すると、ハンプ氏の事件が思い出される。今は選びにくいのではないか」(自動車担当記者)
4月1日付けで外国人役員も常務役員の1人を専務役員に昇格させるものの、外国人の新任常務役員はゼロ、外国人取締役の増員もなかった。トヨタが真のグローバル自動車メーカーになれる日は遠い。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
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