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「売掛金額が1210百万円の大口お取引書店様につき、(中略)事業譲渡や資本参加などの方法による支援によって売掛金の焦付き懸念は一掃されるものと業界内でも信じられていたところ、(中略)そうした支援策の具体化が危ぶまれる事態が生じかねない状況に直面することになりました。こうした事態が現実化すれば、およそ売掛金の半分近くが焦付くこととなります」
「その他の主要延滞売掛先の財務状況の精査をすすめたところ、いずれも業容が悪いうえ、取得していた抵当権や連帯保証などによる回収も、それらの内容が当初取得時に比し劣化していることが明らかとなってきた」
その通知が送られてきた4日後の2月26日午前、芳林堂書店が自己破産を申請し、書店事業は書泉に売却したという通知が取引先に流れた。
出版社取締役は語る。
「大口取引書店が芳林堂だとはわかっていました。太洋社が自主廃業を発表した週の2月3日から太洋社から送品を止められていましたし、比較的大きいほかの書店さんは日販への帳合変更(他の取次会社との取引に変更すること)に移行することが決まっていました。残るは老舗書店の芳林堂のみ。その進退に注目が集まっていました。東京・高田馬場店で開催を予定していたイベントが、急きょアニメイト渋谷に場所を移して開催されたこともあり、アニメイトや中央社、トーハンが芳林堂に手を差し伸べているのでは、という憶測が流れていました」
芳林堂の自己破産の報を受けた出版社らは、太洋社の12億円もの債権が焦付くことは容易に想像できたという。しかし、3月1日付の國弘通信「ご報告とお願い」では、芳林堂の件には一切触れられていなかった。
「8割を超える書店様の帳合変更が決まり、2月中には弊社に対する買掛金の支払を含めた帳合変更に伴う決済もほぼ完了致しました」
帳合変更が峠を越えたとして、3月3~4日の搬入を最後に書籍と雑誌の取り扱いを終了するという、いわゆる事業停止のお知らせにとどまっていた。
債務超過に陥った本当の要因
ある出版社幹部社員は語る。
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