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想定外の「問題」
しかし、今度は「想定外の原油安」がトヨタの思惑を打ち砕く。米国市場では、原油安によるガソリン価格の下落で、エコカーブームは過ぎ去り、燃費の悪い大型SUVやフルサイズピックアップの人気が回復している。トヨタが新型プリウスやプリウスPHVを発表しても注目度は低い。
そもそも「PHVユーザーが、家で充電する電気代より安いし手間も省けるといって、充電せずにガソリンを給油している」(自動車メーカー関係者)状況で、PHVの販売増は期待できない。
米国での販売台数が多いトヨタとしては、カリフォルニア州で環境対応車を一定以上販売して「環境面で先進的なトヨタ」の看板を守ることは至上命題だ。さらに、中国で導入される環境規制でも、HVが環境対応車から除外される可能性がある。HVとPHVを環境対応車の柱と位置づけてきたトヨタだが、FCVをまとまった台数販売するのは困難で、PHVの販売に賭けるしかないという台所事情もある。そこで、プリウスPHV販売の成否が、トヨタの環境戦略を大きく左右することになる。
(文=河村靖史/ジャーナリスト)
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