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「鴻海が親会社になるとはいえ、金融庁の監査で重要なのはあくまでもシャープの業績。今回の交渉でわかったのは、やはり一筋縄ではいかない相手ということ。今後も鴻海が何を言い出すかわからない以上、不良債権化する懸念はつきまとう」(同)
消滅した鴻海選択の理由
交渉の過程で、皮肉にも鴻海を選んだ根拠まで消滅した。出資額が1000億円も引き下げられたことで、みずほ銀が叫んでいた株主の利益優先という建前は霧消し、今後説明に窮することは間違いない。
三菱UFJ銀の一部幹部などの間では、革新機構案のほうがプラスになるとの見方も存在した。国内電機業界の再編が進めば、全体での競争力は現時点よりは向上する可能性が高い。銀行にしても業界全体の与信コストが確実に下がる。短期的には痛みを伴っても、中長期では銀行の収益にも株価にもプラスになる。
「みずほ銀が日本の銀行とは思えぬ豪腕で、こちらでは制御不能の状態になった」(三菱UFJ銀関係者)
市場では今回のみずほ銀の猛烈な攻勢に首をひねる向きも多い。
「みずほ銀ではグループ支配を旧興銀勢が進めている。鴻海案で短期的には損失を拡大させないことで、かつてシャープにカネをぶち込み続けた旧富士銀勢に貸しをつくったのでは」(大手銀関係者)
国益でも自行の中長期的な利益でもなく、みずほ銀の狭い世界の政争の具にされていたとしたら、身から出たサビとはいえシャープも浮かばれない。ましてや、権力争いでの高笑いも、はるかに上手の鴻海の経営陣を相手にしては長くは続かないだろう。
(文=編集部)
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