特殊な樹脂素材がワイヤーの代わりに
このSUHADAには、どのようなこだわりが詰まっているのか。ワコール広報・宣伝部の村田美紀氏に話を聞いた。
「一番のこだわりは“ブラがカラダに合わせる”という点です。『カラダとの同化』をテーマにして開発された商品で、着用感や肌触りには特に注目していただきたいです。樹脂素材がワイヤーの代わりを担っているのですが、カップの形を保つためのハード樹脂を、体に優しく馴染むソフト樹脂フレームでサンドした『3D同化フレーム』というものを、カップ内の肌から遠い位置に埋め込んでいます。ワイヤーブラはワイヤーの線で支える設計でしたが、SUHADAは『3D同化フレーム』によって面でバストを下からすくい上げるという設計です。背中の部分には縦横均一に伸びるストレッチ素材を使用しているのもポイントです。そのため圧迫感が少なくカラダに溶け込むような着け心地を実現しており、カップの浮きや食いこみも軽減しているんです」(村田氏)
–そもそも、同商品を開発するきっかけはどのようなものだったのでしょうか。
「かつてのブラのトレンドは、いかに寄せて上げて“バストを造形する”かという部分が重視されていたのですが、近年はそこに快適志向も加わってきていました。バストの形をきれいに見せつつも、心地よい装着感を追求してほしいというご要望が多くありました。そういったお声に応えるかたちで開発が始まったのがこのSUHADAです。2014年の秋にプロジェクトチームが発足し、商品化までは約1年半費やしました。もちろんチームスタッフが各々にそれまで蓄積してきた経験や、50年以上前からある弊社研究所のデータがあってこそ誕生した商品ですので、一朝一夕で生み出せたわけではありません」(村田氏)
試着した一般女性からは、次のように金額に関する意見もあった。
「有名メーカーの製品でなければ、ブラは安い物なら1000~2000円台で買えます。それに比べてワコール製は少し高くて、普通のブラでも3000~4000円台です。そしてこのSUHADAはワコール製の中でもさらに高くて5000~6000円台。正直、いつも1980円くらいのブラを買っている私からすると、3倍もの金額は躊躇してしまいます。かといって『高すぎる』という印象はなく、納得の金額です。コストパフォーマンスでいえば十分満足できます。それだけこの着け心地は革命的です。お金に多少余裕がある人には絶対にオススメ。私は、自分のお金で買うのは予算的に厳しいですが、今度母と一緒に買い物に行ったときにおねだりして、母とお揃いでSUHADAを買ってもらおうと企んでいます」(20代女性・Dカップ)
通常のブラジャーよりも多少高い価格設定となっているが、金額相応、もしくはそれ以上の価値を提供できているということなのだろう。
(文=A4studio)