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武田薬品、没落鮮明に…世界で売れる製品涸渇、外国人社員とリストラが伝統的風土を破壊

文=編集部
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 また小野が米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)と共同開発したがん治療薬「オプジーボ」は周知の通り、極めて高い完治率から「がん治療に革命を起こしつつある」夢の新薬として、世界中の医療関係者や製薬会社から熱視線を集めている。

深まる孤立感

 こうしてみると、創薬力はハコモノの改善や効率化とはまったく別のパラメーター(要因)に左右されるものなのだろうと想像せざるを得ない。ちなみに武田は、この春から山中伸弥教授率いる京都大学iPS細胞研究所と共同で、湘南研究所を舞台にiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った画期的新薬の開発に乗り出してはいる。だが、巨大な研究棟には「夜になっても灯火が点かない研究部屋がまだたくさんある」(業界関係者)といわれるなど、リストラの傷跡でフル稼働の状態ではなさそうだ。

 そんな武田の惨状と将来を見定めたからなのか、これまで東京にも広報機能を置いていた塩野義と小野はこの4月から、広報活動の拠点を大阪の本社管轄に一本化した。武田の孤立感は、さらに深まっている。
(文=編集部)

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