規模の拡大を目指し、昨年サンワドーを完全子会社にしたのに続き、今年はケーヨーとの経営統合を打ち出した。さらに今年8月までに、ファミリーマートと経営統合するユニーグループ・ホールディングスからホームセンター8店を取得する。
矢継ぎ早にM&A(合併・買収)攻勢に打って出るのは、ドラッグストアに脅威を感じているからだ。2000年代初頭、ホームセンターとドラッグストアの市場規模は4兆円弱で拮抗していた。現在は、ホームセンターは横ばいだが、ドラッグストアは6兆円を超える。ホームセンターの市場はドラッグストアに浸食されているのが実情だ。
売り上げ1兆円を目指すイオン系のウエルシア
ドラッグストアの再編の主役は流通最大手のイオンである。イオンはドラッグストアを成長事業と位置付け、15年9月に傘下ウエルシアホールディングスが、同じくイオン系列の神奈川県が地盤のCFSコーポレーションを完全子会社にした。
ウエルシアの16年2月期の連結売上高は5284億円となり、関東圏で圧倒的に強い業界首位のマツモトキヨシホールディングス(16年3月期5360億円)に迫った。ウエルシアの17年2月期はCFSの売り上げが通期で加わるため6300億円に上り、マツキヨを引き離してトップに立つとみられている。
再編劇はこれで終わりではない。イオンが音頭を取って結成したドラッグストア連合「ハピコム」の主要加盟会社で、北海道が地盤のツルハホールディングス(売上高5039億円=16年5月期見込み)や、北陸が地盤のクスリのアオキ(売上高1640億円=16年5月期見込み)までウエルシアと一緒になるのではないかとの見方が強まっている。
ツルハとアオキは古くから“同志”の関係にあり、一緒になることは既定路線といえる。イオンは両社に出資しており、近い将来、ツルハとアオキがウエルシアに合流するというのが多くの業界関係者の見方だ。そうなれば、売上高が1兆3000億円の巨大ドラッグストア連合が誕生する。
ホームセンター各社は巨大化で先行しているドラッグストアに脅威を感じている。DCMの敵はドラッグストアなのだ。ホームセンターのさらなる再編は不可避だろう。
(文=編集部)