総務省統計局が5月5日の「こどもの日」にちなんで、4月1日現在の子供の数(15歳未満人口)の推計を発表した。子供の数は、前年に比べ15万人少ない1605万人(男子が822万人、女子が782万人)となり、1982年から35年連続で減少し、過去最低を更新した。また、人口に占める子供の割合は、75年から42年連続して減少している。この数字を見ると、わが国の少子化がいかに深刻な状況であり、この国の将来が危ぶまれるのかが、改めてわかる。
【年齢3歳階級別の子供の数】
・12~14歳:342万人(総人口に占める割合2.7%)
・9~11歳:321万人(同2.5%)
・6~8歳:318万人(同2.5%)
・3~5歳:316万人(同2.5%)
・0~2歳:307万人(同2.4%)
【学校区分別の子供の数】
・中学生の年代(12~14歳):342万人(同割合2.7%)
・小学生の年代(6~11歳):640万人(同5.0%)
・未就学の乳幼児(0~5歳):623万人(同4.9%)
人口に占める子供の割合は、50年には総人口の3分の1を超えていたが、65年には総人口の約4分の1となった。97年には65歳以上人口(15.7%) を下回って15.3%となり、16年は12.6%と過去最低を更新した。
都道府県別の15年10月1日現在の子供の数をみると、前年に比べ増加しているのは東京都だけとなっている。子供の数が100万人を超えるのは東京都、神奈川県、 愛知県、大阪府の4都府県しかない。
もっとも子供の数が少ないのは、鳥取県の7万4000人、次いで、高知県の8万4000人、島根県の8万8000人となっている。子供の割合では、沖縄県が17.4%と最も高く、次いで滋賀県の14.5%、佐賀県の14.1%、一方、割合が低いのは秋田県の10.6%、次いで東京都の11.3%、北海道の11.4%の順。
子供の割合は世界最低レベル
それでは、日本の少子化がいかに深刻なのかを、諸外国の総人口に対する子供の割合から見てみよう。
14年版の国連人口統計年鑑で人口4000万人以上の国の子供の割合では、タンザニア44.4%、ナイジェリア41.8%、パキスタン41.6%、ケニア41.5%、エチオピア40.3%が40%を超えている。いずれも新興国だが、先進国でもドイツ13.1%、イタリア13.8%、イギリス17.7%、フランス18.5%、アメリカ19.2%と、日本の12.6%を上回っており、日本が最も低い割合となっている。