クリニカが提唱するセルフケアのポイントとは、(1)フッ素を歯に残す、(2)歯垢を落とす、(3)細菌を増やさない、の3点だ。フッ素は、歯の再石灰化を促して歯の健康を守る成分。歯垢は、虫歯や歯周病、口臭の原因となる細菌のかたまりのこと。細菌は、口の中で増殖して歯垢を生成するものだ。
近年は赤ワインやコーヒーを愛飲する人が増えるなど、食生活の変化で歯垢のつき方も変わってきた。
一方で、日本の消費者の口腔ケア意識は年々高まっている。「歯科検診頻度」も倍増し、「歯磨き回数」も1日3回時代に向かっているが、正しい歯の磨き方はできていない。
「当社の快適生活研究所の調査でも、『歯磨きに自信がある』と答えた人の8割は歯垢がきちんと除去できていませんでした。その理由は自己流の歯磨き方法にあり、残念ながら3割の人は使う用具の選び方も間違っていました」(同)
たとえば歯科医師に「ハブラシを鉛筆のように持って軽く磨く」と教えられても毎回はやりきれない。忙しい朝は、ハミガキ剤のさっぱり感で磨けた気になっている人も多いのが実情だ。
歯科医師や学校と連携した啓発活動
そこでクリニカは、こうした消費者の深層心理に届くような訴求も行う。
「できるだけ若い時から予防歯科へ取り組むことをお勧めする一方で、ライフスタイルのなかで『歯に対する意識が強まる時期』にオーラルケアへの興味を深める訴求も行います。
たとえば、ビジネスシーンで相手の視線が気になる、妊娠したので生まれてくる赤ちゃんのことを大切に考えたい、子どもには虫歯で悩んでほしくない……といった機会に、『自分や家族のセルフケアを見直してみませんか』と提唱します。ハミガキ剤とハブラシですべて完璧にケアすることは、時間的にも難しいものです。だからこそ、基本のハミガキ剤とハブラシに、一人ひとりの歯の形や口の状態にあったケアも提案しています」(同)
歯並びが気になる人、親知らずにトラブルがある人には、その部位や奥歯の奥にピンポイントで毛先が届く「デンタルタフト」や、歯と歯の間の歯垢や食べカスが取り除ける「デンタルフロス(Y字タイプ)」を展開するなど、一人ひとりに適した器具の使用を提案している。毎日使用するハミガキ剤としては、前述の3つのポイントがトータルケアできる「クリニカ アドバンテージ」という商品が人気だ。